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科学者の自由な楽園

朝永振一郎

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784003115220
ISBN 10 : 4003115228
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2000
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

京都に転校し「よくメソメソ泣いていた」病気がちの少年時代。大学は出たけれど、疲労困憊し劣等感にとりつかれていたころ出会う生涯の恩師。自身、けっして平坦ではなかったという、その道程が、感性の豊かな、思いやりの深い、ひとりの物理学者を生むことになった。ここに収められた随筆、講演、紀行文の随所に、その温かな眼差しが感じられる。

目次 : いま・むかし(父/ 京都と私の少年時代 ほか)/ 学ぶ(好奇心について/ 物理学あれやこれや ほか)/ わが師・わが友(わが師・わが友/ 仁科先生 ほか)/ 楽園(研究生活の思い出/ 科学者の自由な楽園 ほか)/ 紀行(北京の休日/ ソ連視察旅行から ほか)

(「BOOK」データベースより)

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朝永振一郎先生はノーベル賞を授賞された物...

投稿日:2010/08/02 (月)

朝永振一郎先生はノーベル賞を授賞された物理学者なわけですが,文筆のほうもなかなか達者で,専門の教科書以外にも啓蒙書や随筆集をいくつか出されました.ここに収められたそれぞれの随筆には朝永先生のお人柄がよく現われていて,親しみを感じます.堅苦しさは感じず,ひょうきんな印象を受ける文章がいくつもあって,非常に楽しい本です.最後に収載されているエッセイ「訪英旅行と女王さま」は学士会の会誌に掲載されたもので,学士会のホームページで同じものが読めますので,ご購入の参考にしてください.ぼくはここに書かれているノーベル賞授賞式の欠席理由を読んでですっかり朝永ファンになってしまいました.

ポルツマン さん | 岩手県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ykmmr (^_^)

    日本二番目のノーベル賞受賞者。その彼が大学時代から理化学研究所勤務。そして繰り込み理論からのノーベル賞受賞までのご様子が随筆されている訳だが…。肉親話等も多く、意外に『物理的理論』は少ない。しかし、物理学が生み出し、日本を襲った『原爆』の姿を嘆き、理研の功績を上げるにも一筋縄には行かなかった。アインシュタインも嘆いた、「物理学者の苦悩」。平和は『爆弾』・『兵器』ではなく、『人』によって作られる。アインシュタイン以上に、大学の同期(?)である湯川の事もよく描かれている。2023年最初の読本。

  • まりお

    物理学者、朝永振一郎の随筆。お気に入りは「好奇心について」。情報過多の時代、いかに徹底的に精密にかつ精緻に追求するか。私は知識が欲しい、自分に足りないものを埋めたい気持ちがある。だから様々な本を読み、考えを読み。でもそれで、埋めることができたか、と言えば、そうでもない。多くあればそれでいいとでも思っているのだろう。精密に、精緻に。今一度、知識の得るやり方を見直したい。

  • lily

    『ご冗談でしょう、ファインマンさん』を読んでいるかと思うくらい感性が似通い、思想家と呼びたくなる高貴な精神性とノーベル物理学賞受賞者から視た科学の盲点は頗る面白く、時間を忘れて昭和時代にタイムスリップ。トピックセンスも全て良し。文系の人でも楽しめるような心配りもしんしんと伝わる。科学信仰の行き過ぎを警告し続けた物理学者が晩年放射線治療を受けたことは驚きだった。放射線治療による免疫力の低下により肺炎で亡くなった。

  • karutaroton

    人柄がよく分かる 玉砕より瓦全 喜劇を見て笑えないってのは大変な悲劇 ローレンツがオランダのダムの堤防の高さの設計に関わってるとは知らなかった そういやバイキング料理ってスウェーデンとかの料理やった 

  • roughfractus02

    著者は社会と人の関係の変化を科学のフィルタを通して自然、技術、国家の3つに分けたように思える。武蔵野の自然を語る著者の前には移りゆく豊かな自然がある。顕微鏡をいじった少年時の機械工作的な好奇心は、成長して無限大に発散する積分の計算に実験値を「くりこむ」発想へ抽象化する。が、国家が保護して自由に研究できた理研初期の「楽園」を振り返る時、戦争で急変した科学と国家との不穏な関係が仄めかされる。「楽園」から追放され、社会に対峙する著者が、飲酒して大怪我をして大事な授賞式を欠席する顛末は、痛みを伴うユーモアが滲む。

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