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人間タワー 文春文庫

朝比奈あすか

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167915940
ISBN 10 : 4167915944
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

桜丘小学校の運動会で毎年六年生が挑んできた組体操「人間タワー」。しかし危険性が取りざたされ中止に!?強硬なタワー推進派の珠愛月先生、冷めた目で反対を主張する文武両道な男子・青木、誰もが納得する道を探ろうとする同級生の澪…教師、児童、親、様々な人物の思いが交錯し、胸を打つラストが訪れる!

【著者紹介】
朝比奈あすか : 1976年生まれ。06年「憂鬱なハスビーン」で群像新人文学賞を受賞し小説家デビュー。著書多数。少年少女のデリケートな内面描写の巧みさには特に定評があり、著作は難関校とされる中学校の国語入試問題に頻出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • エドワード

    「小学校の運動会での人間タワーは危険だ」という記事を見たことがある。「がまんすることで児童は成長する」「桜が丘小学校の伝統」と信じて疑わない教師、「指に怪我をしたら受験に差し支える」と中止を求める母親。児童に話し合いをさせるシーンがリアルで圧巻だが、何の成果も得られないのも自明だ。クラスの運営という言葉、教師のあまりの多忙さと重圧感がひしひしと伝わって来る。「危険だが、やるべきだ」何かに似ている、と思ったら、コロナ禍でのGoToキャンペーンだ。肯定・否定両方で世間を煽るネットニュースがまさに今だなあ。

  • タルシル📖ヨムノスキー

    ある小学校の運動会のメインイベント、6年生による組体操「人間タワー」を巡る物語。実施についての賛否は生徒にも先生にも、そして保護者にもあり…。話はそれだけでは終わらず地域住民や卒業生の想いにも寄り添う。特に老人ホームに入居する老人の話「すべてが零れ落ちても」と、小学校時代いじめられっ子だった男性の話「乗り越える」は、読み始めは本編との繋がりが見えなくてどういう話なのかとドギマギしていたけれど…。この二つが特に心に沁みました。残念なのは、子供達がどういう経緯であの答えを導き出したのかが語られなかったこと。

  • 銀河

    運動会の組体操、桜丘タワー。先生や児童目線で皆の心がひとつになる過程を描くのかなと思ってたら違った。誰かの生活の一部が、誰かの全部。のぞみえんの入居者の話はとてもせつない。学校パートがとても共感しやすくて、安田澪の観察眼がおもしろかった。ラスト、卒業生の高田くんの話では泣いてしまった。「あの頃の自分に教えてあげたい。」以降が特に。私の地域の運動会は女子はダンスでよかった…得意分野ではないのでやりたくないし、学年が一緒なだけの人たちと絆なんて感じられない。手を挙げてそんなこと言えないけど。

  • ベローチェのひととき

    妻の本棚から借りてきた本。桜丘小学校の運動会で毎年6年生が挑んできた組体操「人間タワー」。去年は、怪我は無かったが頂点の生徒が転落し失敗している。危険性が取り沙汰され、今年の実施について賛成派と反対派で対立する。6話から成り立っているが、それぞれでそれぞれの立場の方が主人公となって展開されている。最後はどういう結末になるのか…… というお話です。

  • ひろりん

    最近、危険性がとりざたされている小学校の運動会で行われる組体操がテーマです。組体操の種目である「人間タワー」へのそれぞれの人の思いが交錯して、ラストはどうなるのか?と読み進みました。危険性をはらんだものかも知れないけど、だから悪と決めつけてしまうのはどうかと思います。そういう意味では、解説に出てたように、双方が納得できる形をと考える澪がいちばん成熟してるのかな?

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