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アフターブルー

朝宮夕

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065391587
ISBN 10 : 406539158X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan

Content Description

選考委員瞠目! 第19回小説現代長編新人賞受賞作 
今村翔吾さん「執念の如き力を感じた」
塩田武士さん「朝宮さんの『業』に、私は期待している」
中島京子さん「チャレンジングな作品」
凪良ゆうさん「著者にしか書けない光と闇」
宮内悠介さん「シンプルに心を動かされた」
薬丸岳さん「一番に推した」

5人の納棺師たちは全力を尽くす。遺された人々が、最後に顔を見てお別れを言えるように。

「どんなに考えても、探しても、人が死んだ理由なんて絶対に見つからないんだよ」

納棺師、遺品整理士、生花装飾技能士‥‥葬儀関係のプロ集団「株式会社C・F・C」。
とりわけ損傷の激しい遺体を専門に扱う「二課」は、無残な状態から生前の面影を復元するのがミッション。
事故、事件、自殺ーー二課には毎日のように遺体が運ばれてくる。入学式を明日に控え線路に正座していた少年、ゴミ屋敷で餓死した男性、幼い我が子を残して事故に遭った母親、飛び降りる瞬間を動画配信していた少女ーー
二課の納棺師たちはその手で、失われた生前のおもかげを復元していく。

愛する人が突然この世を去った時、どうすれば立ち上がれるのか。あの人はなぜ命を絶ったのか。遺された者はどう生きればいいのか。
それぞれに「喪失」を抱えた納棺師たちもまた、明日を生きる微かな光を見出していく。

【著者紹介】
朝宮夕 : 神奈川県横浜市出身。小説初執筆にして初応募の本作(応募時タイトルは「薄明のさきに」)で第19回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • やすらぎ

    眠るように静かに瞑るご遺体もあれば、そうでないものもある。自ら断つ者も他者に断たれる者もおり、この世には引き取り手のない無縁遺体が多くある。事情は決してわからないが、人が生きるとは難しいもの、苦しんだのだろう。特殊復元処置衛生課は最後のお別れの場で心を紡ぐためにあるのだろう。過酷な状況で働ける人は限られている。感情移入をせずに遂行しなければならないが、容易く念いを取り除けるものではない。納棺師の苦悩や葛藤が描かれている。誰しもが自身の過去が蘇る苦しみとともに、悦びも哀しみも癒えることのないまま生きている。

  • starbro

    第19回小説現代長編新人賞受賞作ということで読みました。表紙イラストとタイトルから青春恋愛譚かと思いきや、「おくりびと」&「エンジェル・フライト」の世界でした。タイトルは、原題「薄明のさきに」の方が好い気がします。リーダビリティが高いので、次回作も期待です。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000410071

  • パトラッシュ

    遺体に死化粧を施す納棺師の仕事は知っていたが、事故や事件で激しく損壊した遺体も珍しくない。耐え難い現実を目撃すると、誰もが死の尊厳など信じられなくなる。そんな遺族のため復顔を担当する納棺師は、絶対に必要だが全く知られていなかった。登場する5人の担当者は重い過去を背負いながら、少しでも傷つく人を減らそうとこの仕事を選んだ哀しみが強烈に迫ってくる。特殊な技術を用いて生前の姿を取り戻すプロセスの生々しい描写は、間違いなく経験者によるドキュメンタリーだ。死を望む人は、自分が死後どう扱われるか知っておいた方がいい。

  • いつでも母さん

    第19回小説現代長編新人賞受賞作品『薄明のさきに』(こちらのタイトルが好み)葬儀関係の会社「株C·F·C」のお仕事小説··その仕事は実に頭の下がる仕事なのだと常々感じている。その中でも納棺師、それも損傷の激しい遺体を専門に扱う彼ら「二課」の面々の内側を抉る本作。各々の慟哭が私自身の受けた痛みと重なるようで、乾き切らない生傷から再び血をみるような··そんな読後感。だが、よいのだ。私は生きている。自己満足でも私にしか出来ない悼み方で、抱えて生きていくんだ。そう、これは「命と生」を紡いでいたのだ。

  • hiace9000

    無残に損傷した遺体を生前の面影に復元する、納棺部二課・特殊復元衛生課。今際の際の凄絶と恐怖、死後の静寂と暗澹…。一瞬で変わる生と死を繋ぐ納棺師たちの葛藤・生き様と、死がもたらす蟠りを抑制の効いた静謐な筆致で紡ぐ作家デビュー作。薄っすらとした時明かりに光る空を想起させるポエティックな描写は感傷的というより、むしろ人生や人の持つ業そのものをより鮮明に浮かび上げるよう。登場人物らの名に至る細部までのこだわりも作品世界に見事に溶け込み、見事な一体感をもって、薄明のさきにある作者の悼みと慟哭を読み手に伝えてくれる。

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