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恋歌 講談社文庫

朝井まかて

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062931915
ISBN 10 : 4062931915
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2015
Japan

Content Description

樋口一葉の師・中島歌子は、知られざる過去を抱えていた。幕末の江戸で商家の娘として育った歌子は、一途な恋を成就させ水戸の藩士に嫁ぐ。しかし、夫は尊王攘夷の急先鋒・天狗堂の志士。やがて内乱が勃発すると、歌子ら妻子も逆賊として投獄される。幕末から明治へと駆け抜けた歌人を描く、直木賞受賞作。

【著者紹介】
朝井まかて : 1959年、大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年、小説現代長編新人賞奨励賞を受賞した『花競べ』(講談社文庫)でデビュー。’14年、本書『恋歌』で第150回直木賞、『阿蘭陀西鶴』(講談社)で第31回織田作之助賞を受賞。’15年には、『すかたん』(講談社文庫)が第3回Osaka Book One Project選定作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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朝井まかて作品デビューはこの作品でした。...

投稿日:2021/02/25 (木)

朝井まかて作品デビューはこの作品でした。きりっと締まった文体に想像していた以上に本格的な作品であることを直感しました。女性が女性を描くことはこういうことかと納得してしまいました。ずっしりと重く心に残る作品でした。直木賞受賞納得の一冊です。すごい!

kotobuki さん | 広島県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 三代目 びあだいまおう

    とても素晴らしい!尋常じゃない吸引力に惹き込まれる。幕末から明治、女性が生き辛い時代に一世風靡した歌人中島歌子(樋口一葉の師)の生涯を、残した手記を紐解き描く。構成が抜群。前半の無邪気でおきゃんな女の子、恋をし恋を叶え、やがて牢獄に入れられこの世の地獄を生き抜く女。水戸藩の内乱、身内同士の愚かな大喧嘩、忠と不忠が糸車のように入れ替わり、巻き込まれ翻弄される女の命はこんなに軽いのか?何たる不幸と不条理!後半の牢内歌留多と、牢の去り際の決死の叫びが慟哭をもたらす!恋の最高峰と見事な終止符。天晴れ直木賞‼️🙇

  • しんごろ

    時は幕末から明治にかけて水戸藩の争いに巻き込まれた歌人の人生!天国、地獄を味わい生き抜く精神の強さに感銘しました!ちょっと読みづらいとこもありましたが、物語は引きこまれるパワーがあります(^_^)時代物はいいですねえ(^_^)再読時のBGMはコブクロがいいかも(^_^)v

  • yoshida

    樋口一葉の師である歌人の中島歌子。彼女の手記を通じて、幕末の水戸藩の内紛と歌子の生涯が描かれる。幕末はアメリカの砲艦外交で国内体制がまさに揺れた。徳川幕府から明治新政府へと変わる訳だが、多くの血が流れた。時流の波、権謀術数に翻弄される人々。ともに国を思いながらも、反目しあい血で血を洗った水戸藩の天狗党と諸生党の何と哀しいことか。歴史は勝った者が造る。しかし、負けた者にも大義がある。恩讐の彼方に見せた中島歌子の遺言に、人の持つ赦しの気持ちの仄かな灯りを感じた。そして歌子の以徳への愛情の一途さに心打たれた。

  • うさ丸

    初読み 朝井まかて。 2014年第150回直木賞受賞作品。 物語は樋口一葉の師、中島歌子の手記を門下生が見つけ、読み進めていく形をとっている。 終盤は畳み掛けてくるあまりの凄絶な描写に何度も本を閉じ、込み上げてくる憤りに堪えながら読むしかない。 舞台となる幕末の水戸は正直、あまり詳しくはない。 だが、老若男女が内乱に巻き込まれた時代に中島歌子が愛した男が確かに存在し、散っていったことを忘れられない否、忘れてはならない作品であった。

  • reo

    落語に崇徳院という噺がある。高津神社に参詣に来たご大家の若旦那と、良えしのいとはん。互いに一目惚れやが、昔の恋は言葉もかけられへん。いとはんが忘れていった茶帛紗を、若旦那がこれあんたのと違いますかといって手渡す。いとはんにっこり笑ってさらさらと「瀬を早み岩にせかるる滝川の」と崇徳院の上の句を書く。さぁそこから互いに恋煩いですな。この物語も崇徳院の歌から始まる。落語とは違いしっとりとした歴史小説。桜田門外の変では攘夷派として活躍した水戸藩士がその後表舞台からなぜ消えていったのかがよくわかります。直木賞納得。

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