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蒙古襲来と神風 中世の対外戦争の真実 中公新書

服部英雄

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121024619
ISBN 10 : 4121024613
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

鎌倉中期、日本は対外戦争を経験する。二度にわたる蒙古襲来(元寇)である。台風が吹き、文永の役では敵軍が一日で退散し、弘安の役では集結していた敵船が沈み、全滅したとされる。だが、それは事実なのか。本書では、通説の根拠となった諸史料の解釈を批判的に検証。戦闘に参加した御家人・竹崎季長が描かせた『蒙古襲来絵詞』ほか、良質な同時代史料から真相に迫る。根強い「神風史観」をくつがえす、刺激に満ちた一冊。

目次 : 序章 神風と近代史/ 第1章 日宋貿易とクビライの構想/ 第2章 文永の役の推移/ 第3章 弘安の役の推移/ 第4章 竹崎季長の背景/ 第5章 『蒙古襲来絵詞』をよむ/ 第6章 その後の日元関係/ 第7章 遺跡からみた蒙古襲来/ 終章 ふたたび神風と近代へ

【著者紹介】
服部英雄 : 1949年(昭和24年)、名古屋市に生まれる。東京大学文学部国史学科卒業。同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。博士(文学)。東京大学文学部助手、文化庁文化財保護部記念物課調査官、九州大学大学院比較社会文化研究院教授などを歴任。現在、くまもと文学・歴史館館長。九州大学名誉教授。『景観にさぐる中世』(新人物往来社)で角川源義賞、『河原ノ者・非人・秀吉』(山川出版社)で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • yamatoshiuruhashi

    蒙古襲来の実相を資料を見直すことで解き明かそうとする。日本の側の資料だけでなく、元、そして侵略者としての高麗の資料も参考に。ハイライトは「蒙古襲来絵詞」の解読。小さな事柄も重要な事実を示すと言う。また一場面の絵に複数の事実と時間が異なる一連の流れが描かれていると言うのは驚きだが、その解説は真に迫る。絵詞全体をしっかりと見る機会が欲しいと切実に思った、

  • かごむし

    八幡神がいかに偉大かを宣伝する書物「八幡愚童訓」の記述に基づいて生まれた、神風が吹いて元軍が一夜にして消え去ったとする神風史観。実際にはそんな都合のよい神風は吹かず、日本軍の奮戦があったことを史料に基づいて検証する。学校で習ったときに、元寇のくだりには違和感があって、でも教科書に嘘は書いてないだろうと受け入れていたのだけど、本書を読んで、納得できたし勉強になった。歴史的事実がどうだったかということもそうだけど、通説というのがこんなにも根拠薄弱なものに基づいて形成されるということに驚くという読書でもあった。

  • AICHAN

    図書館本。蒙古襲来には不思議なことが2つある。ひとつは、なぜ元が日本を攻めたのかということだ。もうひとつは、元寇では神風が吹いたと言い伝えられているが、実際は文永の役では神風は吹かなかったし、弘安の役では神風が吹いた後も戦闘が続いたことである。これら疑問に答えるために著者は筆をとった。ひとつ目の疑問の答えは火薬の原料になる硫黄を元が欲していたのと、日宋貿易で日本が宋に硫黄を輸出しないようにさせるためだった。ふたつ目の疑問については、しつこいほどあらゆる資料を紐解いて神風神話を打ち破ってみせている。

  • Tomoichi

    研究が進むと少し歴史の真実に迫ることができる。本書も蒙古襲来の真実に迫る一冊。神風というのは戦場から遠く離れた世界で神仏に祈る事しかできない貴族や寺社が作り上げた幻想であり、実際は台風後もその前も九州の武士が懸命に戦ったのである。幻想を利用した帝国海軍はやはり戦場を知らない貴族や寺社と同じだったのではないだろうか。

  • 鐵太郎

    元寇の時モンゴル遠征軍は「神風」と呼ばれる台風の被害「だけで」「一日で」壊滅して退却したとされるが、それは事実ではない、という主張から始まります。いつまでの京貴族たちの願望に引きずらず、史料をよく読めという主張は悪くない。とはいえそのあと、竹崎季長の『蒙古襲来絵詞』から読める戦いの様相、そして終章の神風特攻隊への思いなど、話がずれて広がりすぎではないかな。内容はいろいろ興味深い解説もあって面白いんだけど、特攻隊の悲劇に結びつけるのはいかがなものかな。

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