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失われた時を求めて 2(第1篇)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087610215
ISBN 10 : 4087610217
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2006
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

語り手が生まれる前後に起こったスワンの恋の物語。ブルジョワ階級のヴェルデュラン夫人のサロンが舞台。スワンは、高級娼婦オデットに関心を持ち、彼女の通うこのサロンにやってくるようになる。やがて二人のあいだに好意が目ざめ、スワンはオデットを通して、恋の喜びや嫉妬を経験する(第一篇第二部)。二人は結婚し、ジルベルトという娘が生まれている。語り手はシャンゼリゼ公園の遊び仲間として彼女を知り、夢中で幼い恋をささげる(第一篇第三部)。

【著者紹介】
マルセル・プルースト : 1871.7.10‐1922.11.18。フランスの作家。パリ近郊オートゥイユに生まれる。若い頃から社交界に出入りする一方で、文学を天職と見なして自分の書くべき主題を模索。いくつかの習作やラスキンの翻訳などを発表した後に、自伝的な小説という形で自分自身の探究を作品化する独自の方法に到達。その生涯のすべてを注ぎ込んだ大作『失われた時を求めて』により、20世紀の文学に世界的な規模で深い影響を与えた

鈴木道彦 : 1929年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒。一橋大学、獨協大学教授を経て、獨協大学名誉教授。1954年に渡仏。パリにて三年余りの研究生活を送るあいだに、プルーストの自筆やタイプ原稿を検討する機会を与えられる。それらにもとづいて帰国後にフランス語で発表した「プルーストの“私”」(1959)は、語り手の無名性を最初に立証する論文となった。プルースト研究のほかに、サルトル、ニザン、ファノンなどの研究・紹介を行う。また1960年代から70年代にかけて、数年のあいだ、反戦運動、在日朝鮮人の立場を擁護する運動などに従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    まだ作品全体の構成はわからないのだが、何故ここで「スワンの恋」が語られるのだろうか。物語内の時間は、「私」が生まれる頃であるだけに「私」と直接「時」を共有しているわけでもない。しかも、オデットとの破綻に至るスワンの恋の顛末が、物語全体の中で果たす有機的意味も不明だ。もっとも、これは第3部で半ばは解決されるのだが。ただ、スワンとオデット、そして「私」とジルベルトといった対構造は理解できたとしても、第2部から第3部にかけての空白は今は語られていない。なお、第3部のエンディングはことのほか美しく散文詩のようだ。

  • ケイ

    「スワンの恋」スワンの恋に苦しむ様子、彼だけでなく複数の男を手玉に取るオデットの非情さで、第一部の コンブレー」で描かれたように、語り手の家族がスワン氏に寄せる同情と軽蔑とを読者はともにする。出自の卑しいヴェルデュラン夫人に代表されるようなスノビズム、思い上がり、見栄の強さや排他性は、貴族と言われる人達、例えばガランドン公爵夫人のような階層においても散見されるのに対し、スワンやレ・ローム大公夫人などのような自然さを持って社交界に存在する人もいるのだ。おそらく語り手はそのことでスワンへの同情を集めていく。

  • 夜間飛行

    スワンがヴァントゥイユの曲に《見えない現実》を見出していく過程の、記憶と感覚の果てしない追いかけっこ。オデットの美しさを、ボッティチェリ描くチッポラとの類似から発見していく心理の切なさ。恋の話とヴェルデュラン家のスノビズム素描とが、透明な硝子を幾枚も重ねるように描き込まれ、それによって苦と楽の混じり合うスワンの恋の「囚われ」が、時代や社会を貫く問いとして浮かび上がる。束縛からの解放を最も恐れるのは彼自身なのだ。恋と社会を組み合せたバルザック的世界に意識や夢を導入する小説手法から、何となく源氏物語を思った。

  • s-kozy

    集英社文庫版2巻は第一篇 スワン家の方への「第二部 スワンの恋」と「第三部 土地の名・名」。スワンの恋は語り手が生まれた頃のスワンの恋の話。他者からの聞き書きという形で三人称で語られているはずが、時折、語り手の私が顔を出し、読み手のこちらが戸惑うこともある。それはさておき、恋愛対象のオデットに翻弄されるスワンのなんと人間臭いことか。嫉妬から疑心暗鬼になる心の動きがよく分かる。恋は盲目ですね。所々で出てくる芸術に関する描写から「作者は芸術を使って何かの真実を表現しようとしているのではないか」と思い至る。

  • たーぼー

    スワンとオデット。剥き出しになった二人の姿に「浮世離れしてるなあ」と思いつつ、全ての嘘をはぎ取られた真の人間の形を見てしまうのだ。合わないタイプ(と思われる?)異性に惹かれてゆく様というものは理屈では到底、説明のつかない恋愛の盲目と神秘性の表れであり、一方で物語的に後の嫉妬と愛の衰えを期待せざるを得ない。ピアノ曲で結びつけられる両者、肉体的所有を意味するカトレアの隠喩など表現の鮮やかさも見事。第三部「土地の名・名」は二人の静かな着地点と見て良いのか?思考すら拒まれトロトロになる感覚。溜息しか出てこない。

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