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とびこえる教室 フェミニズムと出会った僕が子どもたちと考えたジェンダー平等

星野俊樹

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784788720497
ISBN 10 : 4788720493
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan

Content Description

「『ふつう』って、いったい何なんだろう。」私はこれまでの人生で、何度この言葉をつぶやいてきたことでしょう。子どもの頃、スポーツが得意ではなく、部屋でテレビゲームをしたり、女の子とおしゃべりをしたり、交換日記を書いたりするのが好きでした。初めて恋をしたのは、同級生の男の子。文化系でインドア派だった私は、いわゆる「男子ノリ」にもなじめず、「男らしさ」とは縁遠い子どもでした。

そんな私に対して、周囲の大人やクラスメイトは「男の子ならふつうは?」と何度も言いました。大人になってからも、「社会人の男性ならふつうは?」といった言葉が、日常のあちこちから聞こえてきます。それが今でも正直、息苦しい。私にとって「ふつう」という言葉は、定食屋の「ご飯ふつう盛り」くらいで十分なのに‥‥。そんな「ふつう」との距離感を持ち続けてきた私は、大学卒業後、社会や学校が押しつける「ふつう」に揺さぶりをかけたいと考え、小学校の教師になりました。それが、20年前のことです。

今では「多様性」や「ジェンダー」という言葉が広く知られるようになりました。もしかしたら、「もうジェンダー平等は達成されたのでは?」「女性や性的マイノリティへの差別はなくなったのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、実際には日本のジェンダーギャップ指数は依然として低いままです。

学校という場でも、「異性愛が当たり前」とされたり、「女らしさ」「男らしさ」に従うことが当然のように求められたりする状況は、今なお続いています。だからこそ、本書を通して、あらためて「ふつうって、何なんだろう?」と問いかけたいのです。

子どもたちが、性別や環境に縛られず、自分らしく生きるにはどうすればいいのか。「ふつう」を押しつける社会のあり方を変え、ジェンダー平等を実現するために、どのような知識や視点が求められるのか。そして、教師として学校現場で何ができるのか――。私はずっと、そうした問いを抱えながら、試行錯誤を繰り返してきました。本書では、私がこれまでの経験を通じて考えてきたことを、みなさんと共有したいと思います。(「はじめに」より)

【著者紹介】
星野俊樹 : 1977年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、雑誌編集者を経て小学校教師に転身。公立小学校での勤務を経て、京都大学大学院教育学研究科に進学し、修士課程を修了。その後、私立小学校に着任し、教員としてのキャリアを重ねる。教員歴は20年。現場では、ジェンダー平等を目指す教育実践に取り組んできた。2025年3月末に退職し、現在は執筆や講演などを通じて活動の幅を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • にたいも

    フェミニズム、気になるけど何から読めば?と考えている男性や子どもに関わる仕事をしている方に手に取ってほしい。教室の具体的な事例からジェンダーの問いかけを発信する星野俊樹さんの著作。/学校は、「男とか女とかことさら取り立てない」ことが美徳とされる「ジェンダーブラインド」な場所であり、「教師たちがフェミニズムの知識を持っていなければ、子ども自身がジェンダー規範を強化したり、性差別、権力関係を作り出したりしていても、そのこと自体に気づくことは困難になります。」(pp.173-174)/等身大で柔軟な姿勢の記述。

  • TS

    苦しくなってしまうほどに自己投影してしまうのでとても辛い。でも、カムアウトしてパートナーもいて、そりゃもちろんマイノリティならではの苦しみは尽きないだろうけど、自分として生きることを実践できている著者の姿は、そういう道を選べない私にはとても輝いて見える(逆もしかりな可能性は大いにあるけど、インターセクショナリティの話でもある)。弱者性を誰かに理解してもらうために当事者が頑張らなくてもいい世界がいいなと思う。なんかこういう話をできる友達がほしかったよね私の人生。点と線の話とか正直よく分からない部分もあった。

  • うらはま

    ・性的マイノリティの数は、日本にいる佐藤・高橋・鈴木さんを足した数より多いというのに驚き 男性に読んでほしいフェミニズム本。子どもには性差別なく育ってほしいし、そういう世の中になっていってほしい。性における差別がないって当たり前のことだと思うのに、中々解消されない世の中にがっかり。自分も常にアクションをおこしていきたい。

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