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ヒトの発達の謎を解く 胎児期から人類の未来まで ちくま新書

明和政子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480072559
ISBN 10 : 4480072551
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

胎児に心はあるのか?イヤイヤ期はなぜ起こるのか?思春期に感情が爆発しがちなのはなぜか?個性はいつ、どのように生まれるのか?デジタル化社会は子どもの脳と心にどのような影響をもたらすのか?生物としてのヒトは、直線的に成長していくわけではない。複雑な曲線を描きながら「連続性」と「多様性」をもって変化していく。その複雑な軌跡を科学的に説明することができれば、ヒトが発達する過程で起こる不思議な現象を正しく理解することができる。ヒトの脳と心が生まれ、発達していくという生命現象を真に理解するための一冊。

目次 : 序章 ヒトが直面する二つの危機/ 第1章 生物としてヒトを理解する/ 第2章 学習し続ける脳と心/ 第3章 他者の身体なくしてヒトは育たない/ 第4章 脳が集中して学習するタイミング/ 第5章 発達の本質が崩れるとどうなるのか?/ 第6章 人類の未来を考える―ヒトが育つための条件

【著者紹介】
明和政子 : 京都大学教育学部卒。同大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。京都大学霊長類研究所研究員、京都大学大学院教育学研究科准教授を経て、同大学院教授。専門は比較認知発達科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 佐島楓

    人間の脳の発達が個人差はあるだろうけれど三十代に入るくらいまで続くと定義されていること、幼少期や思春期に受けた強いストレスがどのような影響を脳に及ぼす可能性があるか具体的に書かれていることに強い関心を持ちながら読んだ。同時に、ロボットやAIに触れる日常を過ごすであろう世代に対する警鐘の書でもある。人間は人間によってしか育まれず、人間の感情も相手の反応を類推しながら発達していく。どれだけ信頼のおける相手と多く触れ合えたかがその後の人生に大きな影響を与える。人間は社会的な動物なのだ。

  • サアベドラ

    胎児期から思春期までに起きるヒトの脳と心の発達の過程を、近年の脳科学や霊長類との比較研究などをもとに辿る新書。2019年刊。著者の専門は比較認知発達科学で、ヒトとチンパンジーの幼児の比較などをしている人らしい。幼少期に親とのアタッチメントが少なかったり、精神的または肉体的に虐待を受けた子供は、脳の発達に悪影響を受けて思春期以降に適応障害や精神疾患を発症するリスクが格段に高まるという。十分に愛されなかったり不適切に育てられたツケを子供は一生涯背負って生きていかなければならないのかと思うと、やりきれない。

  • りょうみや

    赤ん坊のときになぜ母親との愛着(身体的接触)が必要か、なぜ様々な発達障害が生じるかなどについて、脳の発達の観点から理由がよく分かる。また人間が他の動物と比べとても長い時間をかけて大人になる過程、必要性、そして危うさも分かりその神秘に感動する。著者の母親としての経験も織り交ぜられており、その優しい文体が印象的。

  • がりがり君

    ヒトはいつの段階で人になるのだろうか。本書的に言えば人としての振る舞いが人の予測誤差に入ってる内は人間なんだろう/最終章を読んだら本書の見え方が変わって一気に二度読みしてしまった。著者の専門は比較認知発達科学といって、著者が開拓してきた新しい分野なのだそうだ。動物の発達過程と人間のそれを比較し、人間独特の特性を洗い出す。たとえば猿は猿真似しないとか/ボウルビィの愛着理論の愛着の中身が現在は具体的になっているらしい。養育者との情緒的スキンシップが愛着の本源。人は人なしに生きられない。

  • くまくま

    幼少期の経験は一生を左右する。ヒトの発達にある連続性と多様性は複雑で、なかなか読みごたえがあった。しかし、愛着形成やシナプスの刈り込みなど興味がある分野の研究が紹介されていておもしろかった。特にバイリンガルについて、身体の触れ合いがなくては乳児に意味はないというのがなかなか興味深かった。

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