Books

南朝研究の最前線 朝日文庫

日本史史料研究会

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022620347
ISBN 10 : 402262034X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

従来、史料の乏しい建武政権・南朝だったが、近年の研究で、その実態が解明されつつある。前後の時代の政権と隔絶した、特異で非現実的な政権ではなかったことが明らかになってきた。16人の気鋭の研究者たちが建武政権・南朝の先進性、合理性、現実性を解き明かす。

目次 : 第1部 建武政権とは何だったのか(鎌倉時代後期の朝幕関係―朝廷は、後醍醐以前から改革に積極的だった!/ 建武政権の評価―「建武の新政」は、反動的なのか、進歩的なのか?/ 建武政権の官僚―建武政権を支えた旧幕府の武家官僚たち/ 後醍醐と尊氏の関係―足利尊氏は「建武政権」に不満だったのか?)/ 第2部 南朝に仕えた武将たち(北条氏と南朝―鎌倉幕府滅亡後も、戦いつづけた北条一族/ 新田氏と南朝―新田義貞は、足利尊氏と並ぶ「源家嫡流」だったのか?/ 北畠氏と南朝―北畠親房は、保守的な人物だったのか?/ 楠木氏と南朝―楠木正成は、本当に“異端の武士”だったのか?)/ 第3部 建武政権・南朝の政策と人材(建武政権・南朝の恩賞政策―建武政権と南朝は、武士に冷淡だったのか?/ 南朝に仕えた延臣たち―文書行政からみた“南朝の忠臣”は誰か?/ 中世の宗教と主権―後醍醐は、本当に“異形”の天皇だったのか?)/ 第4部 南朝のその後(関東・奥羽情勢と南北朝内乱―鎌倉府と「南朝方」の対立関係は、本当にあったのか?/ 南朝と九州―「征西将軍府」は、独立王国を目指していたのか?/ 南北朝合一と、その後―「後南朝」の再興運動を利用した勢力とは?/ 平泉澄と史学研究―戦前の南北朝時代研究と皇国史観)

【著者紹介】
呉座勇一 : 1980年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。日本中世史専攻。現在、国際日本文化研究センター助教。日本史史料研究会顧問。2014年『戦争の日本中世史』で第12回角川財団学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • パトラッシュ

    南北朝動乱について、教科書程度の理解では足りない深い部分を教えられる。太平記には建武政権の無能さが山と書かれているが、実際は鎌倉幕府の武家官僚が多く参画していたのは明治維新と同じだ。足利尊氏は後醍醐天皇に厚遇されながら武士たちにより将軍に祭り上げられ、征西将軍府や後南朝が長く反足利の行動を続けた事実は室町幕府誕生以来の不安定性を例証する。南朝正統論が平田国学から皇国史観を生み、戦前の超国家思想に繋がるなど日本史に大きな影響を及ぼした。皇位継承問題を含め、日本は今も南北朝の桎梏に囚われているのかもしれない。

  • Francis

    南北朝時代に興味があったので購入。自分は南北朝時代について実はあまりよく知らなかったことを痛感。建武政権は反動的ではなく、鎌倉幕府に仕えた官僚たちも多く参加していた事や足利尊氏は建武政権で厚遇されていた事、新田義貞は足利家の分家に近い扱いだった事など、今まで知らなかった事が分かり、面白かった。戦前の皇国史観に基づく南朝賛美は論外だけど、戦後のその反動による南朝否定も問題があることも理解。歴史は史観と言う思い込みを排して文書等の一次資料に基づいて解釈すべきなのだと言う当たり前の事を忘れてはいけない。

  • 組織液

    逃げ若の影響で再読。楠木正成が皇国史観でもマルクス史観でも英雄視された一方で、後醍醐天皇はどちらの史観でも評価がなんか微妙なのちょっと笑っちゃいます。

  • のれん

    南北朝の動乱という中々取り上げにくい時代についての研究を解説する。触り程度の解説とはいえ論文概要レベルの前提を要求する極めて高レベル。 ただ一般的に知られている歴史像を壊すだけでなく、史料から分かること、分からないことを断言する所は良い。再現性のある実験ができない史学はしばしば突飛すぎる発想が生まれるからだ。 なぜ今の歴史観が広がったのかという説明もあり、資料含め歴史は後世広げられ私たちの世論に合わせていることが分かる。政権の勝利はイデオロギーではなく戦略が是非を分けることを肝に銘じておきたい。

  • qwer0987

    歴史資料に乏しい南朝の歴史だが、それを建武政権の性格から説き起こし、その武将たちや政策、南朝が衰退して以降の歴史や皇国史観における南朝の扱いまで幅広く取り上げておりきわめて読みごたえがあった。建武政権の政治体制や後醍醐天皇の宗教に対する態度、新田義貞や楠木正成の人物像などいろんな事象に対して虚心に資料にあたってその姿を浮かび上がらせる姿勢は刺激的。南朝が発給した綸旨の花押から誰がその文書を書いたのか解き明かす内容は特に面白かった。最後の皇国史観に対する論考は歴史を思想抜きで読み解く重要性を感じさせた

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items