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失われたもの

斎藤貴男

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622085423
ISBN 10 : 4622085429
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2016
Japan

Content Description

社会が変わってしまったと感じる人は多いのではないか。失われたものは、誇りを持って生きていける自営業の暮らしと経済。自律した在り方を許容する社会。少年漫画の熱狂。「みんなが手と手を合わせれば」の歌。「ネーミング詐欺」ではない政治の言葉。なぜ自分は危機的状況をうがつ仕事を続けてきたのだろう。経済ジャーナリストである著者は、自らの根っこを掘り下げる。11年間シベリアに抑留された父と東京大空襲の被災者だった母、戦争をひきずる両親は東京・池袋で鉄屑屋を営み、必死に昭和を生き抜いた…。いわゆる戦後民主主義は共同幻想だったのかもしれない。現実には戦争も差別もあった。しかし体験に裏づけられた夢だった。当時と、平和と平等の理想さえ抱けない現在との差は、とてつもなく大きい。時代は新たな殖産興業・富国強兵、米国に寄り添う新しい大日本帝国に向かっているように見える。このままいけば、やがて言いたいことを言う自由さえ消えうせるだろう。「今、大きな渦があって、私たちはその縁にいる…」漫画家ちばてつや氏との25年ぶりの対話を収録。著者の初めてのエッセイ集は、会心の庶民史となった。

目次 : 自分にとって一番たいせつなもの/ 東京都豊島区立竹岡養護学園/ いのちは言葉から壊れる/ 走るエイトマンとジャーナリストへの憧れ/ 戦後・自営業者共同体の街で出会った“知”/ 酒と煙草と大人の世界/ 池袋の夜・魔物と暴走の時間/ 非効率分野に「選択と集中」のシナリオ/ 『私たちが拓く日本の未来』の主権者/ みんなが手と手を合わせれば

【著者紹介】
斎藤貴男 : 1958年東京生まれ。早稲田大学商学部卒、英国バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。新聞・雑誌記者をへてフリージャーナリスト。『「東京電力」研究―排除の系譜』(角川文庫、第3回「いける本大賞」受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • おさむ

    ジャーナリスト斎藤貴男さんのエッセー集。新自由主義や消費税への厳しい眼差しで知られる彼の姿勢は、庶民の視座を徹底しているので(時にやや偏りすぎかなとも感じますが)説得力があります。反骨心にはシベリアに抑留されて帰国後は池袋で鉄屑やを営んでいた父親の影響があるんですね。父が息子に及ぼす影響はやはり大きいのでしょう。たしか評論家の小熊英二さんの父も抑留経験者でした。

  • どら猫さとっち

    マイナンバー制度、東京電力、消費税などの欺瞞と正体を描き出すジャーナリストが、自身の過去とその時代を振り返って、そして現在を見つめる初のエッセイ集。いわゆる「三丁目の夕日」的なノスタルジーに浸って描くのではなく、静かにときに批判を込めているのが、ジャーナリストである著者らしい。それでも、社会批判の精神は伺える。愛憎を込めた昭和と激しく動く平成の時代のなかで、“失われたもの”。それは、今我々が必要とするものではないだろうか。

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