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明治のことば 文明開化と日本語 講談社学術文庫

斎藤毅(図書館学)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061597327
ISBN 10 : 4061597329
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2005
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
齋藤毅 ,  

Content Description

文明開化により急激に流入した欧米文化は、それまでの日本に存在しなかった思想、制度等をもたらした。明治の先人たちはこれらに伴う概念をいかに吸収し、自国語として表現したか。「社会」「個人」「保険」「銀行」「主義」「自由」等々、その後欠くべからざる語となる新しいことばを中心に、それらの誕生、定着の過程を豊富な資料をもとに精細に分析する。

目次 : 明治の日本語―東から西への架け橋/ 東洋と西洋/ 合衆国と合州国/ 王なくして支配さるる国―列玻貌利吉考/ 社会という語の成立/ 個人という語の成立―一個の人・一個人・一の個人/ 会社―「催合」商売/ 保険ということばについて/ 銀行―金銀カワセ処/ 哲学語源―艾儒略から西周・三宅雪嶺まで/ 主義という重宝なことばの誕生/ 学術と政治の発達に貢献した演説

【著者紹介】
齋藤毅 : 1913年山口県生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。建国大学助教授。国立国会図書館副館長、国立図書館短大学長などを歴任。1977年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Timothy

    和製漢語の成立にふと興味が湧いたので手に取ったが、現在通用している特定の語を取り上げ、そこに辿り着くまでの過程を考察する第二章以降の膨大な資料の羅列は自分にはかなりオーバーだったので、引用部の解読にはあまり執着せずに読み進めた。本書で取り上げられた語の多くは明治に入って十年の間に成立したようだった。哲学という語が定着する前に「希哲学」という語が用いられたというのが面白い。ギリシア哲学ではなく、哲を慕いこいねがう、つまりまさしくφιλοσοφίαの意であったという。

  • slowpass

    整体の稽古の待ち時間中に紹介された本。著者は大正二年生まれか。ただしいにほんごのような統一されたことばとはなんだろうかとあらためておもう。力や富を一ヶ所に集中させるための近代化。ことばそれ自体やその定義をうつりかえていたのはむかしはそれぞれの各地の文化圏だっただろう。ことばの一律化は思考の自律性を奪うということでもある。あとがきで筆者は個々のディシプリンに深入りしたいという誘惑にかられた、その誘惑に身をゆだねれば物笑いの種になりライブラリアンというものの名誉を著しく損ずるに決まっているともらしているが

  • Mealla0v0

    幕末から明治にかけて、西洋語を日本語化していく知的作業が行われたが、そのうちの数語を文献学的に辿っていくのが本書。蘭語と中国語という江戸の外国語から、英語・仏語・独語など明治に必要とされた外国語との対応まで追跡された労作。合衆国/合州国、リパブリック、社会、個人など、基本的には個人主義の成立に関連する語が追われている。社会の語が成立するのは個人の観念が普及されてからであるが、それが今のように個人と訳されたのはやや遅れたといった指摘はおもしろい。訳業の骨折りが伝わってくる。

  • 編集兼発行人

    幕末から明治期にかけて欧米から輸入された様々な概念が日本語化されてゆく過程を詳らかに検証。漢語を駆使せざるを得なかった事情。西洋を分節した後の東洋。合「衆」国において「州」を用いない正当性。王が不在の「共和制」に対する人々の驚愕。社会個人会社保険銀行哲学主義演説が他の翻訳語候補を差し置いて定着するまでの紆余曲折。当時の様々な「言語に敏感な人々」が独自の見解や参照により訳出した言葉は官や識者の語彙として定着した後に民へと降りてきたことを理解。著者のライブラリアンとしての仕事振りに対して敬意を表しながら読了。

  • いちはじめ

    西洋から入ってきた言葉をいかに翻訳してきたかについて書かれていて、興味深い

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