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人類はできそこないである 失敗の進化史 Sb新書

斎藤成也

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784815603113
ISBN 10 : 4815603111
Format
Books
Release Date
December/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

我々は、700万年かけてできそこないになった!?人類は、地球上でもっとも進歩した生物―そのように考えている人は多いだろう。しかし私たち人類の足跡を振り返ってみれば、一見、生存に有利と思われるような身体的特徴や機能を失いながら今の姿かたちになった。つまり、私たちは「できそこない」のなれの果てなのである―人類進化研究の権威が教える、常識を覆す進化史!

目次 : はじめに 人類は、700万年かけてできそこないになった/ 第1章 人類は「負け犬」だった―生存競争に敗れて、住み慣れた森を去った/ 第2章 アフリカから追い出された人類―常識を覆す人類の移動史/ 第3章 人類は進化の過程でなにを失ったのか―進化とは「トレードオフ」である/ 第4章 私たちに今も残る、できそこないの痕跡―がらくたDNAも遺伝する/ 第5章 人類の進化に「完成形」は存在しない―私たちはどこへ向かうのか

【著者紹介】
斎藤成也 : 1957年、福井県生まれ。国立遺伝学研究所教授。琉球大学医学部特命教授、総合研究大学院大学遺伝学専攻教授、東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授を兼任。さまざまな生物のゲノムを比較し、人類の進化の謎を探る一方、縄文人など古代DNA解析を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 樋口佳之

    体毛喪失は火や道具の使用と関係している…中立進化的には、あるとき突然変異で体毛が極端に少ない赤ちゃんが生まれたのではないか…お母さんは、その子どもを大事に育てたでしょうし、寒い場所でもたき火で温まれば体毛が薄くても生き延びる/ビタミンCを体内で生成できなくなっても、生成できたときと同じように問題なく生きて…これは、遺伝子の変化が生存の条件と無関係だったことを示しており、つまり中立進化であることのなによりの証拠/タイトル等煽り型過ぎ。はっきりした中立説の立場から表現型の進化を説明するお話でした。

  • けぴ

    ダーウィンにより人類は進化の連続により現在の姿になったとされますが、進化というより変化である、という主旨の本。環境の変化に応じて突然変異を起こした遺伝子のうち、生存に有利な遺伝子を持つものが生き残っていくとされるが、生存に有利でない変化も、たまたま残っていくことがある。アフリカで黒色の肌は確かに生存に有利である。しかし耳垢のドライとウェットではヨーロッパ、アフリカではウェットが多く、日本ではドライが多いが、日本でドライが生存に有利とは言えない。平易な言葉でわかりやすく述べられた教養娯楽の好著。

  • 大先生

    自然淘汰説では「生存に有利な突然変異を起こした個体が子孫を残し、適さないものは淘汰される」と考える。これに対し、中立進化説では「突然変異は生物の生存競争において有利でも不利でもない中立」と考える。著者は後者の立場から【人類はできそこないとして偶然生きているだけ】だと主張しています。【人間が優れているから生き残ったというのは「勘違い」であり、実際、より優れた身体的特徴を有していたネアンデルタール人は絶滅した。チンパンジーに負けて森を出たが、たまたま生き残っただけ。そして、いずれ絶滅する】と。根暗か!(苦笑)

  • まゆまゆ

    生物の進化について、必要なものが残り不必要なものが退化するというダーウィンの自然淘汰説とは異なる、進化の過程は偶然の連続であるという中立説を紹介していく内容。進化論における人間中心主義はキリスト教の影響が大きい。単に進化の過程を見ると、人間が生物学的に優れているから生き残ったのではなく、偶然手を使って火を起こすことができ、偶然言葉を発して意思疎通を図れるようになったから、と説く。

  • Y田

    現在の人類は「たまたま、偶然生き残った」に過ぎないという「中立進化論」の考え方で生物の進化を解説する。ざっくり言えばシンプルで、結果的にこうなった、というだけの事だと。進化っていうとポケモンのイメージがパッと浮かぶが、本来進化とは「進歩する、良くなる」という意味ではないのも再認識出来た。変化、変態という感じか。◆「人類はいずれ絶滅する」(p210)というのもなるほどと思う。これは所謂"悲観論"とは違う。生物ってそういうものだから、というだけ。長い時間で考えると別の見方が出来るなと感じる。興味深かった。

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