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ルポ 老人受刑者

斎藤充功

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784120053030
ISBN 10 : 4120053032
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2020
Japan

Content Description

増え続ける高齢の受刑者、福祉施設化する刑務所…受刑者・出所者の生の声、刑務所・更生保護施設への現場取材を通し、塀の内と外のリアルに迫る。

目次 : 序章 漂流する老人受刑者―過去の取材ノートから/ 第1章 東日本成人矯正医療センター訪問記/ 第2章 元矯正局長・西田博氏インタビュー/ 第3章 黒羽刑務所見聞録/ 第4章 「至道会」取材記/ 第5章 出所者の社会復帰に向けて/ 第6章 法学者・安田恵美氏インタビュー

【著者紹介】
斎藤充功 : 1941年東京生まれ。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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本書は、過去のケースを合わせ、高齢者の受...

投稿日:2021/03/05 (金)

本書は、過去のケースを合わせ、高齢者の受刑者が抱える様々な問題にアプローチされている。 ただ大きく分けると、一つは、医療とりわけ介護が必要な受刑者の問題で、もう一つは出所後の問題だろう。 前者に関しては、その費用が税金で賄われるわけだが、刑務所の外にいる人の医療・介護との不公平感を主張する人も出てくることは予測でき、そういった部分で、どのようにコンセンサスを形成するのか。その前提としては、実態が明らかになる以外ないのだが、人権問題も絡み、それ自体が簡単ではない。また、刑期を終了した場合の治療や介護の継続も課題の一つだろう。 後者に関しては、“居場所”の確保が鍵となるようだ。家族や親族など受け入れ先があり、年金や生活保護などによる金銭的なバックアップもあれば、どうにかなるのかもしれない。しかし、受け入れ先がない場合に再犯リスクが高まる可能性があるようだ。要するに、社会の側でどのように対応するか、ということになるのだろう。 刑務所の“福祉施設化”は、以前から問題視されているが、本質的な解決に向かっているようには思えない。高齢化そのものはまだまだ進んでいく。4年ほど前、『万引き老人』のレビューで、高齢者の万引きに関しては「政治的な対応が必要な部分がある」と書いたが、高齢者の受刑者は同じ状況というよりも、すでに後手後手に回りつつあるようだ。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kinkin

    超高齢社会に比例するように老人の受刑者も増えている、この本はそんな受刑者との対話や受刑者を取り巻く環境などが書かれている。短期の刑とは違い長期や無期で入所している受刑者はこの先どうなるのだろう。以前ホリエモンの本で読んだが受刑者が受刑者の介護をしなければならない状況が深刻のようだ。この先もっと深刻になったときは違う刑務所から介護のために受刑者が派遣されるような事態も起こるのかもしれない。日本赤軍の重信房子氏は医療センターで抗がん剤による治療を受けながら服役していることを知った。図書館本

  • ゆみきーにゃ

    受刑者、元受刑者のお話が沢山載っていたのが良かった。介護が必要な受刑者が増えている現実を全く知らなかったので衝撃のルポでした。全うに頑張って生きている人より豊かな医療、介護。しかも全て税金。色々考えさせられます。

  • gtn

    不遇な人生の果てに、刑務所を福祉施設として利用せざるを得ない高齢者が一定存在する。彼らは、ほとんどが累犯しているので、窃盗や食い逃げ等微罪で入所することができ、本来の福祉施設のように順番待ちする必要はない。案外、社会復帰を望む者が多いのは救いだが、現在、その願いがそのまま叶えられるような環境にない。著者は犯罪、入所、出所、再犯の繰り返しを"負のスパイラル"と呼ぶ。当事者はそれを悲劇と思っていないことが悲劇なのかもしれない。

  • ぽてち

    タイトルに惹かれて図書館で借りたが、巻末の著者紹介文を見ると、「1941年生まれ」と書かれていた。老人受刑者を取材する側も老人だったとは……。だからと言うわけではないが、週刊誌ネタのような勢いはなく、落ち着いた筆致で安心感はあった。そして安住を求めて再犯を繰り返す高齢受刑者や、介護福祉士化する刑務官など、驚きの実態を知ることができ有意義な読書だった。

  • ネギっ子gen

    高齢者が何故、「犯罪者」になってしまうのか、その現実の姿を「塀の内側から外側」(更生保護施設、地域生活定着支援センター等)を取材し、出所者の生の声も聞き取ったルポルタージュ。【刑務官の話】<高齢受刑者は増加していますが、反面、刑務官の定数は増えずに、仕事量は増えるばかりで高齢者の介助に時間を取られてしまいます。刑の執行が刑務所の役割ですが、要介護者の処遇は執行と同時に「健康や安全」といった面からも一般受刑者よりも気を使うんです。/ここが「介護施設」と呼ぶだけの設備と人員>を揃えていないと。そりゃそうだ。⇒

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