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渋谷実巨匠にして異端

志村三代子

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784801005105
ISBN 10 : 4801005101
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『自由学校』や『本日休診』で戦後日本の都会風俗を活写するとともに、『現代人』『勲章』『気違い部落』など、人間や時代の深層を軽妙かつ鋭利に、ときに悪辣なまでに風刺する悲喜劇的な作品群を世に問うた渋谷実。小津安二郎や木下惠介と並ぶ巨匠と見なされた映画監督であったが、その存在は今や忘却の淵に沈みつつある…混迷を深める現代、細緻な作品分析のもとに今こそ回帰する“忘れられた巨匠”の予言的映画美学。

目次 : 1(渋谷実の異常な女性映画―または彼は如何にして慣例に従うのを止めて『母と子』を撮ったか/ 『本日休診』における「現在」―渋谷実と風俗喜劇/ ダークヒーローの誕生―骨稽きわまる人間悲喜劇としての『現代人』 ほか)/ 2(笠智衆と鳥籠―『酔っぱらい天国』を中心に/ 「渋ジイ」が描く女性の老い―『もず』の淡島千景を代表例に/ 渋谷実の音響空間―音の層、あるいは映画的語り手の声をめぐって ほか)/ 3(語らず/語りえずの渋谷実を語る―熊谷勲氏を囲んで 座談会 熊谷勲・紙屋牧子・坂尻昌平・鷲谷花/ 忘れられたなんて言わないで、悲しいから 有馬稲子インタビュー/ 意地悪じいさんに意地悪されたことなんてない 香川京子インタビュー ほか)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

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大学で研究科目に映画が加わったのは、おそ...

投稿日:2021/03/15 (月)

大学で研究科目に映画が加わったのは、おそらく20年ぐらい前からと思うが、この本に参加している研究者はその流れで映画研究を専門にしている人たちと勝手に推測した。各人の視点と研究の深さは論文形式の文章と相まってなかなか手ごわく学術論文の趣き。これから斯様な人たちによって、映画研究がもっと豊かになっていきそうな予感がする。 中でも、編者のひとりである角尾宣信の論考は、現存する渋谷監督の作品すべての階段場面を検証し、数字を検証することで、渋谷映画における男性の登場人物に与える罰を詳らかにするという労作。 これら論文だけを並べて映画評論とはかくあるべしとすることもできたろうが、最後に有馬稲子と香川京子、そして澁谷監督の令嬢のインタヴュウを載せて、渋谷実研究本としての価値を高めている。 550ページと大部の本にしては判型を抑えて持ちやすくしているのと、写真をうまく並べている装丁もよい。

アーチ さん | 東京都 | 不明

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