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ISBN 10 : 4873548047
Content Description
「先生が変わると、子どもたちの“考える力”も変わる」。
本書は、中国の小学校で進められた教育改革の実践を通して、教師がどのように成長し、学び合い、シンキングツールを活用しながら、子どもの思考スキルを育てていくのかを描いた一冊である。
著者は、文化心理学の枠組みに基づく複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach: TEA)を用い、教師がどのように悩み、考え、学びを深めていくのかを、時間の流れの中で丁寧に描き出す。歴史や地域の文化、学校という社会的環境の違いが、教師の成長の段階・パターン・教育観の変化にどのような影響を及ぼすのかも明らかにしている。
初めてシンキングツールを授業に取り入れたとき、教師たちは戸惑いを抱きながらも、新しい授業方略をいかに導入するかを模索し続けていた。日中両国の研究者による支援、教育委員会からの後押し、研究グループ内での対話など、社会的に教師を支える力がある一方で、知識伝達を重視する伝統、激しい学力競争、保護者からの期待と圧力といった要因も同時に存在していた。そうした緊張関係の中で、教師たちは授業の目的を問い直し、「どうすれば子どもの考えを引き出せるのか」を自らに問いかけながら、試行錯誤を重ねていく。「自分はどのような教育実践を行いたいか」という内面の教育観にも問い直し、実践を変えていく。その姿には、教育という営みの普遍的なテーマ――人が成長するとは何か――が静かに映し出されている。
著者は、中国社会の変化のなかで教師の成長がどのように支えられ、どのように文化や地域によって形づくられていくのかを長年にわたり継続的に調査してきた。その過程で見えてきたのは、「教師の学びを支える学習環境」こそが教育を変える鍵であるということである。教師が子どもの成長を支えるように、教師自身の学びもまた、支えられ、育まれる必要がある。
子どもの思考力を育てたいと願う先生方、教育のあり方を改めて見つめたい方へ――
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