Product Details
ISBN 10 : 4772414290
Content Description
非行要因は、犯罪に繋がるような気質面や発達の遅れ、価値観など本人の要因に加え、家族との関わり、本人が受けてきたしつけ、教育など、家族や社会という多様な側面から捉えられる。本書は、三十余年にわたって家庭裁判所調査官として少年事件に関わってきた著者による、非行少年の立ち直り支援への有益な提言である。非行少年の抱く疎外感情とそれを生み出す社会からの排除、そして社会は何故非行少年の受入れに難色を示すのか、著者はこの二つの視点から、少年・家族と社会の関係性の欠如を考察し、「人を組み入れた立ち直り支援モデル」を提唱する。臨床心理士、精神科医、家庭裁判所調査官ら、非行臨床に携わる対人援助職にとって有益な実践指導書となろう。
目次 : 本書の目的・論文の構成・用語の定義/ 第1部 社会の中での立ち直り支援に関する現状の司法・矯正システムにおける課題(少年の側から見た現状の司法・矯正システムの課題―「大阪の姉妹刺殺事件」山地死刑囚の事例から/ 社会の側から見た現状の司法・矯正システムの課題)/ 第2部 自己疎外・家庭内疎外と社会的排除の連鎖による非行化過程の理解(青年期における自己疎外と非行―「居場所」という視点からの非行事例理解/ 家庭内疎外としてのネグレクトと非行―生育史的視点から/ 自己疎外・家庭内疎外と社会的排除による非行化の過程)/ 第3部 社会の中での立ち直り支援とは(個人療法的視点からの立ち直り支援―司法の枠組みから少年個人の枠組みへ/ 非行の親支援)/ 非行少年の立ち直り支援
【著者紹介】
廣井いずみ : 1977年関西学院大学文学部卒業。家庭裁判所調査官として少年事件・家事事件に携わる。2014年大阪市立大学大学院生活科学研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、奈良大学社会学部心理学科教授、臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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