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欧州ポピュリズム リベラルeuのゆくえ ちくま新書

庄司克宏

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480071422
ISBN 10 : 4480071423
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

欧州連合(EU)が、ポピュリズム危機に揺れている。反移民の声は衰えず、ポピュリズム政党への支持は増え続けている。中東欧では政権を担う党すら現れた。いまや、欧州の政治は左右対立ではなく、親EUの既成政党と反EUのポピュリスト政党という対立軸で動いているのだ。ポピュリズムの台頭を招いた要因はなにか。EUの基本理念であるリベラリズムは守られるのか。その統治機構や政策から分析する。

目次 : はじめに 欧州ポピュリズムの衝撃/ 第1章 欧州ポピュリズムとは何か/ 第2章 EUとはどのような存在なのか/ 第3章 欧州ポピュリズムはなぜ出現したのか/ 第4章 欧州ポピュリズムはEUに何をもたらすのか/ 第5章 リベラルEUのゆくえ―どう対応するのか

【著者紹介】
庄司克宏 : 1957年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。横浜国立大学大学院教授などを経て、慶應義塾大学大学院法務研究科教授、ジャン・モネEU研究センター所長。EUの法制度と政策を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • skunk_c

    2年前の書。Brexit、あるいは難民受け入れ問題で揺れるヨーロッパのポピュリズムを理論的に分析しているが、例えばルペンの国民戦線の具体的解説が詳しいわけではない。本書のテーマはむしろ副題にあるように、EUのエリート主義政策が、議会など大衆によるチェックを十分に受けることができないシステムであり、個々の国家の民主制度におけるポピュリズムの台頭が、そのEUのシステムを揺さぶることを、EUに対する丹念な論考で明らかにすることだ。「政府対野党の弁証法が働かない」システムの脆弱性、日本にとっても厳しい警句だろう。

  • venturingbeyond

    ヨーロッパで顕在化する2つの反グローバリズム・反リベラリズム志向のポピュリズム(権威主義志向=ハンガリー・ポーランド、反緊縮・反市場主義志向=ギリシャ・イタリア・スペイン)を、EU法やEUの統治機構の制度規定性から簡潔・明瞭に説明する一冊。EU法研究の第一人者である庄司先生の手による良質な入門書。EU内のポピュリズムやナショナリズム、EUと加盟各国の距離感や齟齬などについて関心のある人は、必読の一冊。

  • coolflat

    30頁。ポピュリズム政党は移民排斥を主張する排外主義ポピュリズムと司法権の独立などを否定しようとする反リベラルポピュリズムに大別できる。前者は特に急進右派や極右に見られ偏狭なナショナリズムと自国民に限定した福祉国家を擁護する。後者は民主主義には従うが、個人の自由な活動領域をできる限り確保しようとするリベラリズムに反対する。憲法裁判所を弱体しようとする事、メディアを統制する事、少数派を軽視する事などに特徴がある。例としては、ハンガリーのオルバーンが率いるフィデス、ポーランドのカチンスキが率いる法と正義がある

  • みなみ

    ポーランドやハンガリーが保守反動政策を繰り出しているのを報道で見ていたので、こちらの本で勉強しようと読んでみた。まず、これまで漠然としか知らなかったEUの仕組みがわかった。選挙を経る国家の政策は、必要でも国民の反発のあるものは通らないことがある。EUは国家を超越した存在なので「国民の反対により改革が頓挫」ということがない。その一方で国家の頭越しに行われるEUの政策は必然的にポピュリズムの攻撃の的になる。EUの方針と自国の経済状況が見合わないのは、ロシアへの経済制裁に参加したくないイタリアの例を報道で見た

  • ぷほは

    EUの組織構図がどうなっているかということは日々のニュースレベルでは突っ込んだ解説の機会もなく、移民難民問題で騒がれているヨーロッパの状況とポピュリズムの席巻をその理念や支配構造の問題から解説してくれるため、ある程度のマッピングができた。与党ー野党といった弁証法的関係性が欠如しているエリートによる組織であるEUがそのまま大衆迎合の新党の台頭を許してしまうということは、つまりEUが国家を超えた大規模官僚制なのだと考えられると思うので、社会学の従来の説明図式をもう少し更新すればまだまだ分析のしがいがありそう。

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