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幸田文きもの帖

幸田文

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582834321
ISBN 10 : 4582834329
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2009
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「きものはその時、その場、その気持ち」で、心意気で着るもの。生涯をきもので通したきっぷのいい東京の女が語る本当のおしゃれ。著者に心の行儀を教わる、ふだん着のきもの入門。

【著者紹介】
幸田文 : 1904‐1990。幸田露伴の次女。東京生まれ。女子学院卒。随筆家・小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヒロミ

    初読み幸田文さん。一生きもので暮らした幸田さんのきものにまつわる随筆集。随筆の名手だけあり季節感ある文章が素晴らしいが、何だかうまく言えないが行間から着るものに対するどろどろとした女の業と幸田さんのかなり厳しい性格が立ち昇ってくるようで随筆なのに凄味がある。いちばん凄味があったのは年齢不詳の美女をえがいた「齢」。怖かった!幸田さんの書かれるものと私の好みが合うかはまだ手さぐりだが、小説やほかのものも読んでみたい。

  • nina

    明治、大正、昭和、平成と、86年の生涯を着物で通した幸田文さんの着物に関するエッセイ。よき時代も苦しき時代も着物とともに過ごしてきただけあって、文さんにとって着物は無二の親友のような存在なのかもしれない。文さんの父で洒落者だったらしい幸田露伴の教えと、さらに文さん独特の細やかな観察眼に培われたお洒落に対する感覚の鋭さ。女のお洒落は女の生き方とどこかで繋がっているようだ。洋服に慣れた身で時折着物を着ると芯が通るような気になるが、文さんの文章にはそんな気持ちのハリが感じられて読んでいると清々しい気持ちになる。

  • rumi

    幸田文の随筆集。ただの着るものである着物。しかし生涯和装で生きた彼女から見た着物とは生き方や心のあらわれるものであり我が身をも守るものなのだという。着物を着るということ…“女ごころを身に纏うということ”日本語の美しさと着物の奥深さで語られるきもの道、彼女曰く和服の生命さきゆきを願っての保存慾からだそう。しかとその心譲り受けました!最後に有難く受け取った言葉“鯱こ張らずに、雪だと思って着ればいいのです。講釈も文句もなんにもいらないのです。ふわりと着ればいいのです。”

  • hitsuji023

    「きもの」に関して疎いので、ざっと流し読みをした。しかし、これだけ服に対してのこだわりが強いと他人の着こなしが駄目な場合気になってしょうがないだろうと思う。実際そういった内容の話も出てくる。冬の朝、窓を開けた時の冷気のような厳しさを感じる。自分としては、著者の季節の表現が好きだ。「夏は、かっかと暑くてさっと涼しい風が吹いて、ごろっぴかりと雷さまがおこって、叩きつける夕立があがると、大きな虹が七彩の夢をかけわたして見せる、といった季節である」

  • どういう風に着物を着ればいいのかって、雪を着るようにすればいい。そんな事を気負いなく書く人の文章を読むというのは、幸福な行為だなあと思いました。清涼な語り口で取り上げられる折々の着物の色目や素材の肌触り、着物をまとう人達の矜持や女心。一つ一つが何とも豊穣で色鮮やか。着物と日本語と、二つの世界の奥深さを思うと身震いがしますが、「雪だと思って着ればいいのです。講釈も文句もなんにもいらないのです。ふわりと着ればいいのです。」という言葉も柔らかく残りました。装丁も含め、端正な本です。

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