Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• よっち

  読了日：2025/10/06

  24年までエルサレム特派員を務めた著者が、パレスチナの人々の故郷喪失と抵抗、イスラエル国内で被害者意識が強化される構造を読みとく1冊。日々の暮らしの中で見えたユダヤ人とアラブ人の目に見えない壁、従軍取材で見た襲撃された様子、ジャーナリストの扱い。紹介されている今イスラエル国内で起きているひとつひとつの重い現実はなかなか衝撃的で、近年の出来事は契機でしかなく、これまでの歴史の積み重ねの結果として起きていることだと改めて感じましたが、そうなる状況に至った経緯の根底にある意識は決して他人事ではないと感じました。

• アメヲトコ

  読了日：2025/11/03

  2025年9月刊。著者は24年まで共同通信のエルサレム支局長をつとめており、現地での取材をもとにイスラエルによるパレスチナでの蛮行をリポートしています。ホロコーストと米帝の支持を錦の御旗にした国際法無視のジェノサイドは卑劣極まりますが、とりわけおぞましいのはAIを活用した「ハマス」の判定と爆撃で、誤判定（1割ほどとのこと）と無関係の民間人の巻き込みを一切顧慮しないその作戦には背筋が寒くなるものがあります。

• お抹茶

  読了日：2025/10/31

  パレスチナ人とユダヤ人の双方の被害者や遺族を取材。イスラエル社会ではパレスチナ人への無関心は着実に広がり，言葉も目も交わさない「見えない壁」が存在。ハマスが組織的に病院を軍事利用しているとイスラエル軍は主張し，十分な証拠なく医療機関を攻撃して治療を困難にする。パレスチナ自治政府は汚職や権力濫用で形骸化し，パレスチナ人はイスラエルの占領と自治政府にも抑圧される。第二次インティファーダでイスラエル社会は右傾化し，宗教ナショナリズムも強まり，ネタニヤフ政権という形で国家運営の中枢に入り込み，パレスチナ人を抑圧。

• ポルターガイスト

  読了日：2025/12/07

  前著『入管』と同じくジャーナリズムの仕事として素晴らしいと思う。本書でも『入管』でも筆者の問題意識は主権国家体制のエアポケットを生きざるを得なくなった人びとに向けられている。マジョリティのわれわれは境界を生きる人間に対して「そんなところで暮らさなければいいだけじゃないの」などと言ってはばからないが，「その境界が本当に何よりも優先して遵守すべきものなのか？」と疑わなければいけない。世界史教員としてできることは限られているが，今後も境界を生きる人間に焦点を当てて授業を行っていきたい。

• モディ

  読了日：2025/11/18

  イスラエルとパレスチナの歴史と現状が深く理解できた。もともと住んでいたパレスチナの人達の土地をユダヤ人が聖地シオニズムを一方的に主張して占領してしまってるんだね。テロはよくないけど自分の土地を理不尽に奪われたら抵抗したくなるよね。ユダヤ人はナチスやヨーロッパ人からの受けた迫害で被害者を称してるのに、経済的文化的民族殲滅、ジェノサイドをアラブ人に同じようにやってしまってるのに気づいてないのか、頭いいのに。

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