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興亡の世界史 大清帝国と中華の混迷 講談社学術文庫

平野聡

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062924702
ISBN 10 : 4062924706
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
平野聡 ,  

Content Description

北東アジアの雄・ヌルハチ率いる満洲人の国家は、長城を越えて漢人を圧倒し、大版図を実現した。康煕帝・雍正帝・乾隆帝が治めた最盛期から、アヘン戦争・日清戦争を経て、ラストエンペラー・溥儀、西太后、孫文らが登場する清末まで、栄光と苦闘の三〇〇年を描き出す。「中華の文明」ではなく、チベット仏教に支えられた、輝ける大帝国の苦悩とは。

目次 : 序章 「東アジア」を疑う/ 第1章 華夷思想から明帝国へ/ 第2章 内陸アジアの帝国/ 第3章 盛世の闇/ 第4章 さまよえる儒学者と聖なる武力/ 第5章 円明園の黙示録/ 第6章 春帆楼への茨の道/ 終章 未完の清末新政

【著者紹介】
平野聡 : 1970年神奈川県生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。東京大学大学院法学政治学研究科教授。専門はアジア政治外交史。著書に『清帝国とチベット問題―多民族統合の成立と瓦解』(サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 金吾

    清国に興味がありますので、清の統治を広く浅く書いているのは良かったです。しかし話が跳ぶ部分がありますので、少し残念でした。雍正帝、乾隆帝時代が面白かったです。

  • 筑紫の國造

    編年的に歴史の経過を記述するだけでなく、空前の大帝国である「清」の興亡を追いながら「中華」の意味を問う意欲作。20世紀初頭に滅びた清王朝は、過ぎ去った歴史の一コマではない。中華人民共和国は今も「清」という王朝の領土を継承したと称している。本書では、現代「中国」の前身とも言える清の歴史の中に現代につながる問題点を見出し、読者に提示する。清の歴史を綴りながら、「中国」そして「東アジア」そのものを俯瞰している。「歴史を鏡とする」という考え方からすれば、本書は正しく歴史書だと言えるだろう。

  • かんがく

    中央アジア的な多民族帝国から、主権国家「中国」へ。教科書的な内容から数歩進み、各時代の各勢力の思惑や行動について引用史料とともに深ぼりしているのでとても面白い。扱う時間・空間はとても広いが、テーマが一貫しているため読みやすかった。

  • バルジ

    近代国際関係の中で滅亡した「大清帝国」衰亡史。内陸アジアの帝国として出発した大清帝国が「盛世」から海域世界による侵食を経て内陸アジアの帝国としての地位を捨て近代国家へと進む、いわば悲劇の歴史を本書は論ずる。特徴的なのは内陸アジアの帝国としての「大清帝国」のアイデンティティに力点を置いた点であろう。モンゴルとチベットは皇帝に服属というよりも、チベット仏教を媒介した大施主としての皇帝に服属する。ここでは「中華」の論理は用いられない。しかしこの個人への服属が突如「領域」と一体化した瞬間、苦難の歴史が始まる。

  • アメヲトコ

    2007年刊書の文庫化。満州人による巨大帝国である清朝の興亡を描いたもの。中国史を語るうえでの「東アジア」という枠組みに疑問を呈し、「内陸アジアの帝国」という視角を加えることで、清朝から現在に至る中国と周辺地域の問題の構造を鮮やかに浮かび上がらせています。清朝の秩序という点では雍正帝の再評価が興味深く、またそれとの比較で近代の主権国家体制の到来にともなうモンゴルやチベットの運命は悲しいものがあります。

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