Books

マザー 小学館文庫

平山瑞穂

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094087673
ISBN 10 : 4094087672
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2012
Japan

Content Description

彼はこの世界から消されてしまったのかもしれない―。メジャーデビューを夢見て上京した佐川夏実は、吉祥寺で路上ライブをしている。バラード“不在証明”は、おぼろげな記憶の中にいる彼を歌った曲。彼との思い出が夏実には断片的にしかなかったのだ。一方、大学のサークルで世の中に流布する都市伝説の真偽を究明していた伊神雄輝の携帯電話に、あるとき見覚えのないメールアドレスから奇妙なソフトが届く。そのソフトで誰でも「理想の人物」を生み出すことができるという。

【著者紹介】
平山瑞穂 : 1968年、東京都生まれ。2004年『ラス・マンチャス通信』で第十六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
平山先生はいろいろな作風がありますが、テ...

投稿日:2021/07/08 (木)

平山先生はいろいろな作風がありますが、テーマは一貫して「かたくなな心」 ではないかと思っています。 この作品はミステリーが全面に立つので、それがあまり感じられません。 男性主人公のサークル仲間がそれを一身にしょっているのかなと思いました。 しかし、終盤で主人公2人にこれが一気に襲いかかります。 ここで改めて物語を振り返ると、男性主人公も女性主人公も、やはり 生きづらさを抱えていたのかということがわかります。 ミステリー作品としても、十分にねられていてとてもおもしろかったです。

WM-102 さん | 不明 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ちょこまーぶる

    都市伝説と言われている話の中で、いくつかは現実があるのだろうか?この話は、そんな都市伝説が現実の世界で存在していて、その「理想の人物」を生み出すソフトの話である。人は、誰もが理想の人物を自分で作りたいと言う想いはあると思うが、この本のように既に存在している人を書き換えると言う行為には恐怖すら感じ、考えさせられた本であった。もしも、こんなソフトが出回ったら多くの人が飛びつくのではないだろうか・・・破滅の一途となるだろうな。最期に主人公の夏美がメジャーデビューした事だけが救われた。

  • ひめか*

    単行本が面白かったので、文庫で購入し再読。人の記憶を自由に書き換えられるソフトを巡るSF。いないはずの人物の断片的な記憶を持つ、ミュージシャン志望の夏実と、都市伝説研究会の雄輝を中心に真相を追う。理想の恋人を作り出す代わりに、存在していた人が消されて、関わる人の記憶の中から消される。そんな世界はあってはならないと私も思う。記憶に苦しむ夏実を救っても、雄輝との思い出も消すなど、夏実は望んではいなかったと思う。アドミニストレーターはずっと孤独と闘わなければならない。正義感と切なさで、ある意味余韻が残るラスト。

  • 佐島楓

    最初は少し不思議なラブストーリーかなと思っていたのですが、だんだんと物語に取り残されるというか、置き去りにされるような感じになってしまい、とても残念でした。そんなに今の若者は、ネットの情報を簡単に信じ込んでしまうのかなぁ。そこが引っかかってしまって、どうもいまひとつ・・・。夏実ちゃんのキャラクターはまっすぐで好きですし、面白くなくはなかったのですが、期待度が高かったのでちょっとだけ「うーん」となりました。

  • 緋莢

    高校時代に付き合っていた彼氏が突然いなくなる。死んだ、とか失踪ではなく、さいしょからいなかったことになっている。その人の、記憶はおぼろげだが、一緒に写っている写真はある。そんな想いを不在証明という歌にして、路上で歌う佐川夏実。一方、大学のサークルで、都市伝説を調べている伊神雄輝はイレイザーヘッドという国際的な秘密組織が、不都合のある情報や事実を知ってしまった人を処理(続く

  • りー

    本作の著者である平山瑞穂と朱川湊人は実験的に小説を書く作家だ。実験的「な」小説ではなく、実験的「に」。別段物語として新しいものではないのだけれど、書く度にスタイルを変えたり文体を変えたり、己の中で何か工夫をしているのが見て取れて、個人的には好きな作家さんなのだ。が。どうも続けて読んでいる僕にとっては面白くても、一作だけを抜き出してみれば凡作も少なくない様で、今作もとりたてて珍しいものではなかったかもしれないけれど、他の作品も併せて読むと平山瑞穂の面白さがわかるんじゃないかなあ、と。ちょっと宣伝してみる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items