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隣人たちの満州 満蒙開拓団の悲劇はなぜ生まれたか 平凡社新書

平凡社

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582857825
ISBN 10 : 4582857825
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日本の大陸政策、昭和恐慌下の農村更生策の柱として遂行された満蒙開拓移民政策。体験者から託された資料を基に等身大の満州を描く。

【著者紹介】
二松啓紀 : 1969年京都市生まれ。同志社大学大学院修了(社会福祉学修士)。京都新聞社文化部記者。中国残留日本人女性との出会いを機に、2003年から満蒙開拓団やシベリア抑留などをテーマに取材活動を続ける。現在は医療介護の分野を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • AICHAN

    図書館本。私の母は幼少期を満州で暮らした。父親が南満州鉄道に勤めたためだ。国策としての満蒙開拓の美名に惹かれて満州に移民した人々も大勢いた。母や伯母や叔母の話によると、開拓団の子の教科書は使い古しの汚いもので、満鉄の家庭の子の教科書はパリッとした紙できれいだったという。開拓団は優遇されていなかった? それだけならまだいい。ソ連参戦によって開拓団に不幸が訪れる。シベリア抑留、中国残留孤児が多数出たのもこのときのこと。母たちは敗戦前に帰国したからよかったが、残留していた人々は地獄の底に叩きつけられたのだ。

  • おかむら

    満蒙開拓団、生き残って帰ってきた人の証言が生々しい。ソ連侵攻後の地獄絵図。国策に沿って送り出した側(学者や官僚、市町村担当者とか学校の先生とか)がほぼ加害者意識を感じてないのも腹立たしいわ。満洲国というそもそも欺瞞に満ちた国のことも知りたくなります。

  • けいこ

    満州の開拓は国家事業で、ロシアに対する防御のため、農村の過激人口を開拓地へ移住させて農村の繁栄を図るためなど様々な思惑があって利権が絡んでいたらしい。移住した人々は永住する覚悟で全財産を処分して満州に渡った人々もいた。敗戦と同時に難民となって、その人達がどのようになったのか紹介されていて、満州移民のことが分かりやすく説明されていました。

  • モリータ

    著者は京都新聞の記者。代表的な分村開拓団を出した長野県大日向村の事例と、それに対比させた京都府からの開拓団の記述が中心となる。各地域の事例の網羅的紹介が主眼ではないが、◆国策推進に介在した自治体の責任◆分村で耕地面積を増やす(乃至経済構造の問題を満州移民で解決しようとする)ことのまやかし◆弱い者がさらに弱い者を圧する(移民先で移民が満人を、都市部の難民収容所で居留民が難民を)人間社会の構図、といった普遍的問題を問うており、入門として良いと思う。今でもアクセスしやすい小説なども紹介してあり、補完もできそう。

  • sasha

    歴史に「もし」は禁忌だが、高橋是清財務大臣が2.26事件で殺害されていなければ、満蒙開拓はもっと小規模であり、ソ連侵攻から帰国にかけての犠牲者の数も少なくなっていたかもしれない。国策で行われた満蒙開拓の為に満州へ渡り、命からがら帰国した人たちは再度、国策としての国内入植の道具とされた。国策は棄民とイコールだと確信する。

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