師岡カリーマ・エルサムニー

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変わるエジプト、変わらないエジプト

師岡カリーマ・エルサムニー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560083253
ISBN 10 : 4560083258
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「いかにもエジプトらしい」を理解するために
アラブの春以降、大きく揺れるエジプト。一方で、悠久の歴史を誇るこの国で変わらないもの、愛され、大切にされているものとは何か。ふつうの人々の生活や文化をもとに描きだす。


「街のあちこちには国民委員会を名乗る自警団が展開し、自分たちの地域に武器が入らないよう、通行車を止めてチェックしていた。(中略)しかし、道を一本外れただけで、まったく別の光景が広がっていた。(中略)なんと歩道にはいつも通りの青空市場が連なって、農家の人々が野菜を売っていた。食用鳩を入れたカゴを頭にのせて悠然と歩くおばさんたち。カフェの店先に座って水タバコをふかすおじさんたち。あきらかにデート中の若いカップル。売り物のパンを並べて携帯電話でおしゃべりをしている女性。いかに危機的な状況であっても、人々は生きることをやめない」


ふつうの人々が大切にしているもの
アラブ諸国の民主化の動き、いわゆる「アラブの春」は瞬く間に広まり、アラブ諸国の盟主エジプトも例外ではなかった。約30年間にわたって非常事態宣言を出しつづけたムバーラク大統領は反政府デモによって辞任を余儀なくされた。しかし、新大統領ムルスィーのもとで、革命で求められたことは実現されず、逆にイスラーム色の濃い政策が次々に決定されたため、民衆の不満が高まり、「クーデター」が起こる。
このような報道がなされるなかで、私たちはそこで暮らす人々のことをあまり理解していないことに気づかされる。かれらは何を食べ、どのような音楽を聴き、どんな生活を送っているのか。エジプトに生きるふつうの人々が大切にしているものとは何か。この本は、エジプトの人にとっては当たり前の振る舞いやしきたり、誰もが知っているモノや人物などを愛情溢れる筆致で描き出していく。
古代エジプトのファラオとイスラーム教との微妙なバランス、キリスト教徒とムスリムとの信頼関係、世俗派と宗教保守、笑いを最大の武器とするエジプト人、ベリーダンサーの覚悟、パンを発明した古代エジプトの末裔など、22篇。多様な人々が共存する社会エジプトを理解するための一冊。人々が大切にしているものから「革命」のゆくえを考える。写真も多数掲載。


2013年10月21日 発売予定


[目次]
嵐に揺れるジャスミン
笑いと涙のエジプト革命
エジプトはラップる
ジーパンの天才詩人
オマー・シャリフの素敵な日々
田舎者万歳!
チーズから生物はうまれない
豆の文化論
パンとは生きること
バクシーシは怖くない
祭だ、祭りだ!
エジプトはいつまで踊る
サイイド・ダルウィーシュの遺産
チュニジア人という名の男
アムル・ディヤーブを馬鹿にしないで
貴公子のミューズたち
愛しい人よ、ワーイスラーマー!
連続殺人鬼とエジプト演劇界
ラムセス二世のお引っ越し
今度のジョークは闘いだ!
ハサンの十字架とモルオスの新月
変わるエジプト、変わらないエジプト
民衆と軍のクーデター──あとがきにかえて


師岡カリーマ・エルサムニー ( モロオカ カリーマ )
1970年、東京にてエジプト人の父と日本人の母のあいだに生まれる。カイロ大学政治経済学部卒業後、ロンドン大学で音楽学士を取得。現在、NHKラジオ日本でアラビア語キャスターを務めるかたわら、アラブの文学や歴史に関する執筆活動を行なっている。慶應義塾大学講師、獨協大学講師。主要著書に『恋するアラブ人』『イスラームから考える』『アラビア語のかたち』など。




【著者紹介】
師岡カリーマエルサムニー : 1970年、エジプト人の父と日本人の母のもと、東京に生まれる。子供時代は日本とエジプトを行き来して過ごし、中学校入学から大学卒業まではエジプトで暮らす。カイロ大学政治経済学部卒業後、ロンドン大学音楽学士取得。現在はNHKラジオ日本の国際放送でアラビア語キャスターを務めるほか、獨協大学、慶應義塾大学で非常勤講師として教鞭をとる。またメゾ・ソプラノとして時折コンサート活動も行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • yumiha

    ピラミッド、クレオパトラ、ナイル川くらいしか浮かばなかったエジプト。『私たちの星で』(梨木香歩との書簡集)を読まなければ、本書へたどり着かなかっただろう。「ムシュハイフィーン、ムシュハイフィーン(怖くない、怖くない)」というデモ隊のシュプレヒコールに思わず吹き出して、どんな国民性なのだろうという興味がわいた。英国占領下から独立しても軍部や治安警察を後ろ盾にした独裁者の大統領に苦しみ、「お上を笑い飛ばすことで社会の不条理を生き抜いてきた」からこそ、「ジョークをお家芸とするエジプト人」たちがいるのだと思った。

  • とある本棚

    装丁が綺麗。エジプト文化に関する本。読んでいるだけでエジプトのあの砂煙舞う空気感が伝わってくる一冊。なかなかマニアックで出てくる芸能人や文化人は分からない人も沢山いたが、エジプトの底知れぬエネルギーといい意味でのいい加減さがよく分かる。この本を読むと、アラブ世界に行ってみたくなるかも。

  • seer78

    ムバラク政権崩壊期を挟んだ時期に書かれた現代エジプト紹介エッセイ22篇。ラップ等若者文化への目配せも鋭い。アラブ文化圏で詩歌が今でも市井の人々によって生きられている様子が活写されている。政変前後を扱う諸篇では文のトーンがかわり、エジプト民主化への途が容易ではないことが窺われる。ムスリム同胞団擁する大統領の失脚、イスラーム穏健派への失望は、後の「イスラーム国」を初めとする過激派へと若者が流れる一因ともなったのか。が、そんな堅苦しいことはどうでもよく、エジプトの陽気でいいかげんな人々の魅力がつまった良書。

  • Sakana

    エジプト革命(2011)の状況がよくわかる。2012年の政権交代後なにがエジプトで起こったのか、そして政治的イスラーム主義の台頭がエジプトの大衆文化を絶やしてしまうのではないか、という哀しみが、読んでいると伝わってくる。「中東」に関するの誤解や偏見を、文学や映画や歌などの大衆文化を紹介しながら、そして近年の政治状況の解説を踏まえながら、ほぐしてくれる。とても良い本でした。

  • 早春

    エジプトの熱気と底知れぬ魅力がたくさん伝わってきた。改めて、良い意味で日本とはまったく異なる世界が広がってるのだなと感じた。政治的な背景を知ってつもりでいて大して知らないことに気づけたので、ちゃんと予習していきたい。フールは朝食に、平べったくないタアメイヤはラマダーン中に、ぜったい試したい🤤

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