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水中で口笛

工藤玲音

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784865280241
ISBN 10 : 4865280243
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

目次 : 1(水中で口笛/ 夜の海 ほか)/ 2(Siesta(2013)/ みんなみたいな ほか)/ 3(きみちゃん/ 電球売り場 ほか)/ 4(通勤が好き/ なか卯ソング ほか)

【著者紹介】
工藤玲音 : 1994年生まれ。岩手県盛岡市出身。著書に『わたしを空腹にしないほうがいい』(BOOKNERD)、『うたうおばけ』(書肆侃侃房)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • tenori

    工藤玲音さんの第一歌集。あとがきには堂々とこう記されている。『おわりに、石川一さんへこの歌集を捧げます。どうだ。わたしはいま、ここにいます』と。石川一=石川啄木であり、啄木と同郷(岩手県盛岡市渋民)の玲音さん流のリスペクトの仕方であり、挑戦状だと思うと楽しくなる。短歌の枠組にとらわれない破調を含む自由な言葉は明るく、せつなく、パワーに溢れている。それは啄木とは異なる世界で同列ではない。ただ、岩手の風土に対する愛着と、何やら執着のようなものは共通している気がする。東北人は東北が好きなのだ。

  • konoha

    「氷柱の声」のくどうれいんさんの歌集。スマホの写真や動画機能を思わせながらも、若く、瑞々しい感性で切り取った風景、言葉の組み合わせ、リズムが楽しい。一瞬も、永遠も慈しむ気持ちを感じる。なか卯、てんや、銀だこなど、章のタイトルも身近で、ユニーク。東京に過度にあこがれない東北/東京の視点が新鮮。「ガーベラもダリアも花と呼ぶきみがコスモスだけはコスモスと呼ぶ」「あこがれは棒を使って掴み取れ自撮りに星は写り込まない」「二両目に乗ると三駅目で桑の実と葉が窓のすぐそばに来る」

  • chiaki

    『氷柱の声』を読んでから好きなくどうれいんさんの第一歌集。工藤さんが短歌をはじめた高校時代〜社会人になるまでに作られた短歌から316首を石川啄木の命日にあわせて刊行されたもの。まずタイトルに惹かれます!工藤さんの歌には盛岡が息づいていて、啄木への想いや、盛岡の雪模様、震災後の故郷のこと、祖母のことを歌ったものは特に心に沁みる。「祖母のこと思い出すとき〜」は、私の祖父との思い出が重なって何度も読み返してしまう。「呆けた祖母を〜」の「ぐわり」という表現の捉えどころのない重さがたまらなく好き。

  • あや

    くどうれいんさんとの出会いは東直子さんとの共著であった。本歌集は2021年刊。2025年3刷である。巻頭歌がいちばん好きです。啄木と同郷であるという、くどうさん。何気ない日常を詠みつつなんとも言えない味わい深い詩情がたちのぼる。   水中では懺悔も口笛もあぶく やまめのようにきみはふりむく/離れつつあるがなかなか視界から消えない晩夏のヤクルトレディ/死はずっと遠くわたしはマヨネーズが星型に出る国に生まれた/首都直下自信がきたらおわりだねおわりだろうね あっふきのとう

  • 読んでいて情景が浮かぶ、色が浮かぶと感じる短歌集だった。著者のことは存じ上げなかったけれど、言葉の選び方がとても美しく、まるで綺麗な風景を見ているような気持ちになった。東北をモチーフに書かれているものも結構あって、地元を大切にしている方なんだとも感じた。『水中で口笛』という題名に惹かれ、中身もタイトルと同じくらい、または凌駕するくらい良くて、読んでよかったなと思った。著者はわたしと年がいくつも離れていなくて、同年代の人がどんどん活躍していく様がとても眩しい。★★★★☆

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