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武藤章 昭和陸軍最後の戦略家 文春新書

川田稔

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784166614172
ISBN 10 : 4166614177
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
川田稔 ,  

Content Description

なぜ負けると分かっているアメリカと戦争を始めたのか?そのカギを握る人物が武藤章だ。陸軍軍務局長として、陸軍の政戦略を握っていた武藤は、一貫して対米戦争を回避したいと考えていたのである。ではなぜ日米戦を阻止できなかったのか?国家の運命を賭けた苦闘を描く。

目次 : 第1章 満州事変から日中戦争まで/ 第2章 軍務局長就任―第二次世界大戦、始まる/ 第3章 対米回避と日独伊ソ四国「連合」構想/ 第4章 「英米不可分」と南進論/ 第5章 日ソ中立条約と日米諒解案/ 第6章 独ソ戦の衝撃/ 第7章 対日石油全面禁輸へ―アメリカの戦争決意/ 第8章 日米開戦への道/ 終章 A級戦犯として

【著者紹介】
川田稔 : 1947年高知県生まれ。1978年、名古屋大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。法学博士。専門は政治外交史、政治思想史。名古屋大学大学院教授などを経て、名古屋大学名誉教授、日本福祉大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    戦前日本が中心のない時代であったかを、武藤章の生涯は如実に示している。少なくともヒトラーやスターリン、ルーズベルトは明確な大方針を示して国を進めていったが、彼らに匹敵する指導者を天皇を含めて日本は持てなかった。特に石原莞爾が満洲国を建国して以後の陸軍は軍規が空文化し、やりたい放題になるのを誰も制御できなかった。永田鉄山の遺志を継いだ武藤も高度国防国家建設のための戦略眼はあったが、軍人としての視界を一歩も出なかった。最善の一手を考えた果てに最悪の敗戦を招いた男は、大日本帝国を滅ぼした罪で絞首刑になったのだ。

  • skunk_c

    武藤章の評伝といっても、幼少時や若い頃のことは極めてあっさり書かれており、日中戦を巡る石原莞爾とのやりとりもほぼ触れるだけで、本書の中心はアジア太平洋戦争へ突入するいわゆる開戦過程において、武藤がどのように考え、行動したかにある。そこでの武藤は対米戦回避を目指していたが、その構想の中に日独伊ソの連携でアメリカを牽制するという考えがあった。これが日米交渉のさなかの1941年6月末に独ソ戦が始まって崩れる中、陸軍省軍務局長として参謀本部との対立もあり中国完全撤兵には踏み切れぬまま開戦を止められない事態となる。

  • kawa

    太平洋戦開戦時に陸軍省軍務局長の要職にあって、戦犯に問われ最年少死刑者となった武藤章氏の評伝。米国との開戦に懐疑的な見解を持ちながら、永田鉄山氏の流れをくむ統制派エリート参謀として、ある意味人身御供的な結果責任を問われる。彼よりさらに過激な意見をもった参謀本部作戦部長の田中新一氏が何のおとがめを受ない処遇と比較して何とも理不尽。氏には日中戦争泥沼化の責任はあるのだが、他のエリート軍人の処遇から考えて東京裁判の正当性に首を傾げざるを得ない一例でもある。

  • CTC

    7月の文春新書新刊。著者は『昭和陸軍の軌跡』の川田稔氏、当レーベルでは『木戸幸一』に次ぐ2作目。著者はかねて武藤と田中新一を「昭和陸軍最後の戦略家」と位置づけてきたが、武藤の軍務局長時代に特にフォーカスした事で、ふたりの戦略構想の違いや、場当たりに見える省部の開戦に至る判断も因果が見えやすくなった。総力戦には南方資源が必要で、北進すれば2正面になりかねず戦略的にあり得ないと思っていたのだが…米は交渉過程で資源供給を止め、大陸撤退要求を徐々に強めている…つまりは北進から目を逸らさせようとしている訳で…。

  • nishiyan

    東京裁判でA級戦犯として死刑判決を受けた武藤章の軍務局長就任から刑死するまでにスポットを当てた評伝。永田鉄山の死後、その跡を継ぎ、陸軍省において戦略をリードした武藤。渡米経験から対米戦は絶対に回避しなければならないと、独伊ソの枠組みでの対米抑え込みを画策するも、独ソ戦開始、米国を取り巻く事情、田中新一を筆頭とした参謀本部との戦略の相違が事態を狂わせていくのは興味深い。開戦後は対米戦早期終結を目論むも現場勤務となったのは本人にとって無念だったろう。最も手記などには政治から離れた解放感があったようだが。良書。

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