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地獄往生集 死穢 (仮)竹書房文庫

川奈まり子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784801910096
ISBN 10 : 4801910092
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

狂った叔母が執着する着物に込められた暗く不思議な因縁話―著者が自らの一族に纏わるタブーに斬り込んだ連作怪談「三枚襲」、飼い犬が死んだことから始まる家族全滅の怪「猛犬注意の家」、子供のすすり泣きが聞こえる部屋、先日とある事件が起きて誰もいないはずなのに…「隣の家の少女」など27話収録。怪異が起こるすべての場所には、祓いきれない悲惨な死の影が色濃く落とされている。ほら、あなたの足元にも…。

【著者紹介】
川奈まり子 : 出版社デザイン室勤務、フリーライターを経てAV女優デビュー。2004年にAVを引退後、2011年『義母の艶香』で小説家デビュー。以降、官能小説、ホラー小説、実話怪談を精力的に執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    実話怪談集。書かれている怪異自体は正直大した事はない。夢だったり、ストーカーが実は……等、それ自体は使い古されたような題材。ただ実際の土地や事件が孕む闇みたいなものを、上手く生かし切れたようなものも多いなあ。大上段に構えた怖さではなく、ふと気が付くと視界の端に闇が凝っているような。こうすると先般読んだ『怪の足跡』もそうだけど、虚実のあわいが一層曖昧になるよう感じる。実話怪談の方向性の一つなんだろうけど、こういう土地や事件の孕む因縁みたいなもの大好きなので、全てがとは言わないけれど一定数は増えてほしいなあ。

  • miel

    夏に買った怪談本の最後の一冊がこの作品、すっかり冬になってしまった。ラストの三枚襲、大作にして著者自身の体験談と言う合わせ技が怖さを増幅させる。タイトル通り3枚の着物に見立てた構成も趣きがあって粋な仕掛けが素晴らしい。これがあるから数ある怪談師の書く怪談の中でも川奈作品が好きなんだと改めて思う。あとがきにあった実話怪談を書くことは探検、と言う言葉が印象的。好奇心旺盛な川奈さんの性格にぴったりであり、私自身の性格にも当てはまる表現笑 私もいつか、有り余る好奇心に命を奪われそうになる気がしてならない。

  • 澤水月

    某テーマパークが実は鉱山跡で・ある少女惨殺事件の後、意外な大都会の悲惨な大戦の名残…脂の網!…等(本書内では実名)、土地の歴史を聞き取り更に深め怪異を検証紹介する小池壮彦スタイルに女性ならではの色香・情念、弱者への思いやり多く非常に好み。基本素晴らしいので敢えて言うと理知に勝ち過ぎ歴史や薀蓄長い面あり気楽に怪談楽しみたい人に好き嫌い出るかも。ある着物の因縁と女たちの業がキーの渾身の力作あるが、肝の場面に出る和装小物、恐らく着物着たことない人や男性に通じないのでひと言そう言う基本の説明もあるともっと良いかと

  • 柊よつか

    川奈さんの怪談を「怪談五色 破戒」で初読みした時は、実話怪談としての定形にはまらない書きっぷりで正直戸惑った。だから少しおっかなびっくりで本書を手にした訳だが、とても面白く読了できた。怪異だけを捉えるのではなく、その地の歴史や事件の背景が加わり、ルポの雰囲気が出るのが特徴的。そのせいもあってか、話者が話すのを近くで聞いているような、著者と一緒にその地を歩いているような、そんな臨場感が心地よかった。特に印象的な話は、「隣の部屋の幼女」「逆さ女」「ホルモン饂飩」「卒業旅行」「パンの実」「屍穢」「三枚襲」。

  • 眠る山猫屋

    実際の地名なんかが出てくる辺り、計算もあるのだろうが、リアリティーは増す。また、お話に対する態度がとても真摯なので、好感度大。実話怪談というテーゼに添っている稀有な冷静かも。自身の一族にまつわるお話も、深く潜む血脈に根差すもので、言い知れぬ雰囲気が漂うし、表参道辺りの空襲にまつわる悲劇もそら恐ろしい。

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