Product Details
ISBN 10 : 4782104863
Content Description
「おいしい食品は美しい構造をもつ」,食品組織学分野の研究者が思っているこ とである。このことは構造がおいしさに深く関連していることを示している。食品のおいしさには、物理的特性や成分、組織構 造などが関与している。表面構造や内部構 造が異なれば、テクスチャーは異なり、それには成分も関与している。また、成分の違いは、組織化学的検出やX線分析などで構造での存在をとらえることができる。 従って、構造を解析することは食品のおいしさを視覚的にとらえ、効果的に理解することが出来る。 難しかった顕微鏡観察の技術はかなり簡便化されてきた。特に卓上型走査電子顕微鏡(SEM)の開発は、誰でも短時間に容易に顕微鏡像をとらえることを可能にした。しかし、そのことが顕微鏡観察技術の 向上を妨げ、何を見ているのかがよくわからない状況をうみだし、顕微鏡像の誤った 解釈も散見される。一方で食品の構造観察の機器として、X線CTや共焦点レーザー顕微鏡、ラマン顕微鏡等を使用した食品のミクロな構造が発表され、顕微鏡技術は急激に進化している。 こうしたことを踏えて本書では、従来の食材の他に新たな食材も加え、構造観察の情報をおいしさとの関連より取り扱うことにした。本書が大学における家政学や農学 部の研究者・学生、食品企業における研究開発の技術者にとって、構造からのおいし さへのアプローチの道標となることを 期待したい。(「発刊にあたって」より一部 抜粋)
【著者紹介】
峯木眞知子 : 共立女子大学食物学科管理栄養士専攻卒業、東北大学農学研究科機能形態学講座博士後期課程修了、博士(農学)。東京家政大学家政学部栄養学科教授を退職、その後東京家政大学・キューピー共同研究講座タマゴのおいしさ研究所特命教授。日本家政学会食品組織部会長、タマゴ科学研究会理事、日本伝統食品研究会副会長、日本官能評価学会評議員、日本栄養改善学会終身会員、東洋水産(株)社外取締役。日本家政学会および日本調理科学会より学会賞受賞および功労賞を受賞
中村卓 : 岐阜大学農学部農芸化学科卒業、京都大学大学院農学研究科食品工学専攻博士課程修了(農学博士)。現在、明治大学農学部農芸化学科食品工学研究室教授、日本官能評価学会理事(元筆頭副会長)、Institute of Food Technologists Japan Section Councilor
小竹佐知子 : お茶の水女子大学家政学部食物科学科卒業、同大学院家政学研究科食物科専攻修士課程修了、同大学院人間文化研究科人間環境学専攻博士課程修了、博士(学術)。山梨県立女子短期大学、オランダWageningen Agricultural University勤務を経て、日本獣医生命科学大学応用生命科学部食品科学科食品工学教室教授、日本官能評価学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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