Product Details
ISBN 10 : 4800290228
Content Description
最近になり発達障害がクローズアップされるようになったのはどうしてでしょうか。
「発達障害は増えているのですか」と、よく聞かれることがあります。この点について明確なデータはありませんが、
増えているのではなく、これまで周囲から認識されていなかった「発達障害」が次第に認識されるようになってきた
というのが正しいように思います。
このような変化は、日本の学校や企業社会の変質と密接に関連していると考えられます。元来、日本社会は
人と人との関係が稠密(ちゅうみつ)で、他人の「目」を気にする程度が大きいことが指摘されていました。
この日本の社会環境は、一般の人からは幾分ずれた特性をもっている発達障害の人には、そもそも必ずしも
心地よいものとはいえませんでした。しかし、一方で日本社会は建前と本音を使い分ける傾向が強く、
定型的なことがうまくできない発達障害の人たちも、集団の中では問題にされずスルーされることが多かったように思います。
ところが近年、社会のグローバル化に伴いコンプライアンスを重視し、何事にも透明性が求められる堅苦しい
「管理社会」が出現しつつあります。
こうした社会状況においては、物事に柔軟に対処できないASD(自閉症スペクトラム障害)の人や、些細なミスを
頻繁に起こしやすいADHD(注意欠如多動性障害)の人は、どうしても不適応を起こしやすくなり、会社や学校で
目立ってしまったり、困った存在として認識されやすくなったりしているのです。(「はじめに」より一部抜粋)
【著者紹介】
岩波明 : 1959年、神奈川県生まれ。昭和大学医学部精神医学講座主任教授(医学博士)、発達障害専門外来を担当。2015年より昭和大学附属烏山病院長を兼任。東京大学医学部卒業、都立松沢病院などで臨床経験を積む。東京大学医学部精神医学教室助教授、埼玉医科大学准教授などを経て2012年より現職。主な研究分野は精神疾患の認知機能障害、発達障害の臨床研究など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Customer Reviews
Recommend Items
Feedback
Missing or incorrect information?
Product information of this page .
