Books

生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある

岡檀

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062179973
ISBN 10 : 4062179970
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2013
Japan

Content Description

徳島県南部のある小さな田舎町は、全国でも極めて自殺率の低い「自殺“最”希少地域」だった。町民たちのユニークな人生観と処世術。その極意が、四年にわたる現地調査によって解き明かされていく。

目次 : 第1章 事のはじまり―海部町にたどり着くまで(どうやらコミュニティに鍵がある/ 自殺の危険を緩和するもの ほか)/ 第2章 町で見つけた五つの自殺予防因子―現地調査と分析を重ねて(いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい/ 人物本位主義をつらぬく ほか)/ 第3章 生き心地良さを求めたらこんな町になった―無理なく長続きさせる秘訣とは(多様性重視がもたらすもの/ 関心と監視の違い ほか)/ 第4章 虫の眼から鳥の眼へ―全国を俯瞰し、海部町に戻る(「旧」市区町村にこだわる理由/ 最良のデータを求めて ほか)/ 第5章 明日から何ができるか―対策に活かすために(「いいとこ取り」のすすめ/ 通説を見直す―思考停止を回避する ほか)

【著者紹介】
岡檀 : 和歌山県立医科大学保健看護学部講師、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科研究員。慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科博士課程修了。「日本の自殺希少地域における自殺予防因子の研究」で博士号を取得。コミュニティの特性が住民の精神衛生にもたらす影響について関心を持ち、フィールド調査やデータ解析を重ねてきており、その研究成果は学会やマスコミの注目を集めている。第一回日本社会精神医学会優秀論文賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 修一朗

    「その島の人たちはひとの話を聞かない」からこちらへ。自殺予防因子は海部町の歴史と地理的条件にあったという研究結果が興味深かった。濃厚な人間関係とひとくくりにできないユニークな特性,年少の時からガチガチではない緩やかな紐帯があり,野暮≒(いじめや,意見の押し付け)が最大の不名誉であるという価値観が寝付く地域。病気や経済困窮といった自殺危険因子はなくならない,ならば自殺予防因子を広げていけばいいのだ,という提案が実践的だ。この自殺予防因子,生き心地良く生きたい個人の暮らし方の指針にもなりうる。

  • アキ

    日本の自殺者は年間約3万人。著者は「日本の自殺希少地域における自殺予防因子の研究」で博士号を取得し、現在慶應義塾大学に勤務している。この書は2008年に徳島県海部町でフィールドワークをした成果を伝えている。5つ挙げた自殺予防因子のうち「病」は市に出せ、が印象に残る。自殺の動機の7割は病苦か生活苦。隣町A町の方が勤勉さ、克己心、忍耐性などが高いが、むしろ自殺の危険を高める因子である。何らかの理由で幸せを感じられなくなった時の対処の仕方こそが肝心なのだ。「人間の性や業をよく知る人たち」という言葉がそれを表す。

  • seki

    自殺率の高い地域を分析するのではなく、低い地域に注目し、フィールドワークに入る著者。徳島県旧海部町は島嶼部を除くと最も自殺率が低い町だという。自殺率が低い理由として、様々な分析がされているが、「人は人。自分は自分。」という姿勢を住民皆が持っているというところが印象的。淡白のようだが、他者に寛容、多様性を受け入れる地域であるという。この意識文化は長い歴史によって、積み上げられたようだ。しかし、決して住民が「立派」という訳ではないと著者。良い意味で「いい加減」なのだと。他者への向き合い方のヒントになる一冊。

  • naoっぴ

    いや〜面白かった。著者の論文「日本の自殺希少地域における自殺予防因子の研究」について一般向けに書かれた本。自殺多発地域の研究なら多くあるだろうが、逆の方向からアプローチして予防因子を探っていくというもの。日本一自殺の低い町・徳島県海部町について、地形や意識調査など膨大なデータを分析して見えてきた結果には意外なことも多く、「生き心地の良さ」とはこういうことかと。著者の研究への情熱、協力してくれた町の人達との交流も温かくて読み心地の良い本。家族、対人関係、地域・会社などどんな組織にも活用できると思います。

  • けんとまん1007

    なるほど〜という視点が多い。多いだけでなく、その裏付けをおり、いろいろ考察をしているのが素晴らしい。そこから出てきた内容は、何となく感じているだろうことも、結構あったが、それを整理して、見方をきりだしてあるので、納得度も高くなる。「病は、市に出せ」ということに、凝縮されていると思った。出す方、受け取る方の両方の関係があるからこそなんだと思う。コミュニテイみたいな言葉で簡単に片づけてしまえることではない。これをヒントに、いろいろなところで活かせる視点がある。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items