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ヘルメス

山田宗樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784120056871
ISBN 10 : 4120056872
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan

Content Description

「ありもしない未来のために、心を砕くなど馬鹿馬鹿しい」2029年に起きた小惑星衝突の危機。すんでのところで衝突は免れたものの人々の恐怖は拭いきれず、シェルター用の実験地底都市が建造された。劣悪な環境下で暮らす実験期間は10年、被験者たちには終了時に巨額の報酬が約束されている。しかし実験終了目前、239人の被験者たちがなぜか地上に出たくないと抵抗し始めた―。

【著者紹介】
山田宗樹 : 1965年、愛知県生まれ。98年、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。2003年に発表した『嫌われ松子の一生』が大ベストセラーになった。13年、『百年法』で第66回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    小惑星が衝突する直前の地球が舞台とはアメリカSFの得意分野だが、日本でも同テーマの小説が増えている。どうしようもない事態に直面して人が壊れたり、理性を保ち最後の日を迎えるかなどの有様が創作意欲をそそるのか。そんな破局が奇跡的に先延ばしされた世界で、70年後に再訪する小惑星に備えた巨大地下シェルターという設定が面白い。居住実験者の一部が脱出を拒み、人類の滅亡を望む勢力が宗教化するなど、明日の見えないカオスな状況が生々しく迫る。ただ、そんな小さな部分だけに集中し地球全体のドラマが感じられないのが不完全燃焼か。

  • しんたろー

    SFは御無沙汰だったが、山田さんの新作なので迷わず購入…巨大隕石に備える為の地下都市実験生活から始まる序章は、山田さんらしいヒューマニズムに満ちた発想とSFとしては平易な文章でスイスイ読ませてくれる。時が経過してからの中盤は展開が多少停滞するものの、人間ドラマが色濃くなり考えさせられる部分も多い。終盤はそれまでに広げた風呂敷を畳み切れていない感もあったが、綺麗な着地で満足できた。倫理観、死世観、家族愛など多くのテーマを盛り込んでいる割にページ数は多くないから、名作『百年法』には及ばなかったのは仕方ないか。

  • とん大西

    SFは絵空事と言ってしまえばそれまでですが、時に倫理観や死世観を問いかけてくる思考実験になります。高揚し、揺さぶられ、自問自答した名作『百年法』。本作でもあの感動を…と思ったが…。巨大隕石に備えた地下都市での10年に及ぶ実験生活。その特異な環境が生み出した思想と情緒。あぁ、あぁ。世代を超えて継承されていく希望と絶望。このへんの大河的なスパンは『百年法』テイストで読んでてゾクゾク。行く末が気になってどんどん読み進めてしまう。そこまでは抜群だったんやけど…。序盤のスケール感が尻すぼみになった終盤がちぃと残念。

  • 美紀ちゃん

    実験地底都市〈eUC3〉→ヘルメス。小惑星が近づき人類は恐怖する。ヘルメスの住人は地上には出たがらなかった。地上に出るのが怖い。小惑星が落下する恐怖から、逃れられない人達。まるでカルト集団のように。地上に戻ってきたのはたった1人。ヘルメスで誕生したルキ。そこで終わりでも良かったのでは?と思うが、まだまだ先が長かった。再び地球に接近する小惑星。世界が滅びて欲しいと願う若者たちと生き延びたいと願う若者たちの衝突。第2の月の誕生。壮大な世界観。そしてアメリカでも?繰り返す恐怖。すごい話だった!学校図書館◯

  • まちゃ

    前半の設定は面白いと思いましたが、後半は少々期待外れでした。久しぶりの山田作品に"アッと驚く"壮大な物語を期待し過ぎたかもしれません。閉所恐怖症の気があるので、地球滅亡の危機が訪れたとしても、地下シェルターへの避難は無理かもです。

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