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松本連隊の最後 角川新書

山本茂実

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784040824062
ISBN 10 : 4040824067
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2022
Japan

Content Description

太平洋戦争末期、1944(昭和19)年2月に松本百五十連隊は太平洋の日本海軍最大の根拠地、トラック島に上陸した。本書は松本を出営し、島まで辛くもたどりつき、そこで敗戦をむかえる翌45年8月までの戦記である。水死、病死、栄養失調死、そして餓死…。生き残りの兵士たちに徹底取材し、克明にして膨大なメモによってまとめられた無名兵士たちの哀史。『あゝ野麦峠』の著者が遺した戦記文学の傑作!

目次 : 固い軍靴の響きを残して/ 軍靴の遠ざかった橋の上を青白い流れ星二つ/ アルプス連山よさようなら/ 霧氷の枯野に立つ親子/ 焦燥する広島の船舶司令部/ すみやかに宇品に集結せよ/ 得意絶頂の大東亜国民会議/ 木曾路を下る軍用列車/ めっきり船の少なくなった宇品港/ 下駄ばき兵もいた宇品港〔ほか〕

【著者紹介】
山本茂実 : 大正6年‐平成10年(1917‐1998)。長野県松本市に生まれる。農家の長男として農業に従事する傍ら、松本青年学校に通う。その後、現役兵として近衛歩兵第三連隊に入営、軍隊生活・闘病生活など合わせ8年間を送り、傷痍軍人として終戦を迎える。戦後上京して早稲田大学文学部哲学科に学ぶ。昭和23年(1948)『生き抜く悩み 哲学随想録』を出版し、同年末より同志と共に葦会を組織し、雑誌「葦」「小説 葦」、総合雑誌「潮」などを創刊、各編集長をつとめる(約15年間)。その後、作家として執筆生活に専念。昭和43年(1968)『あヽ野麦峠ある製糸工女哀史』を発表、250万部超のロングセラーとなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • kawa

    郷土の松本連隊(歩兵百五十連隊)トラック島の悲劇(海軍丁事件/日本軍上層部の不祥事として有名)を追う。義父が戦争中の洋上漂流の経験を語っていたことを思い出す。もしかしたら、本書に描かれる一場面にいたかも知れないと思うと複雑な心境。ちょうど、映像で太平洋戦をアメリカ海兵隊の視点で描く「ザ・パシフィック」を見ている最中。悲惨な戦争で犠牲になるのは、前途ある若者が圧倒的多数。戦争の意思決定をした権力者は、後方の安全地帯で差配を振るっているという不条理。(コメントへ)

  • CTC

    22年5月の角川新書新刊。初出は64年の信陽新聞(松本エリアの地方紙で78年に休刊しているもよう)連載で、同年近代史研究会なる版元から単行本刊、78年に角川文庫になっている。著者は『あゝ野麦峠』(68年)の山本茂美(私としては『喜作新道』71年の)。つまり郷土に根付いた題材をものにした作家だが、本人は松本連隊=150iではなく、近歩三だ(226の翌年入営で8年苦闘)。米軍資料他客觀資料と「帰還者みんなと話」そうと1年半掛けた当事者取材を「鎖のようにつない」だ労作。解説は藤原彰(文庫時より)。

  • モリータ

    ◆初出『信陽新聞』連載(1964年〜?、原題「燃える軍旗」)、単行本1966年は現タイトルで近代史研究会刊、文庫版1978年角川文庫刊、新書版(本書)2022年角川新書刊。◆文庫版に付された藤原彰氏の解説を再収録(以下引用):「この『松本連隊の最後』は、長野県の郷土部隊である松本の第百五十連隊が、太平洋戦争末期の一九四四(昭和十九)年二月トラック島に上陸してから、そこで敗戦をむかえる翌四五年八月までの戦記である。(中略)刊行当時から、調査の綿密さと記録性の高さ、兵士の体験を中心とした感動的な内容とに(続

  • Masataka Sakai

    いくつかの日に慰霊をして、慰霊したつもりになってはいけないと感じた。

  • 晴天

    松本から南洋島嶼に派遣された連隊の出発から終戦までをオーラルヒストリーで描く様は、華々しい戦記とは異なり、輸送船の沈没、上陸後の空襲、米軍が上陸することなく放置された島での飢餓と、多くの無惨な死が描かれる。他方で、空襲も餓えも島民を避けるわけではない。その生活を脅かし、心をも荒廃させていく様まで踏み込むのは意義深い。私は南洋島嶼に暮らしたことがあり、トラック諸島に赴いたこともあるが、島民を使役し、何でも喰らい、生活を破壊した傷跡は決して浅くないと感じている。それを思うと、記述ひとつひとつが染みてくる。

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