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変質する平和主義 戦争の文化 の思想と歴史を読み解く 朝日選書

山本昭宏

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022631329
ISBN 10 : 4022631325
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan

Content Description

戦後、日本人は「戦争と平和」をいかに認識し、その認識はどのように変化したのか―。1989年以降の日本社会における「戦争と平和」の精神史を叙述し、市民的価値観が弱まり、“戦争の文化”が胎動していく様相を、歴史社会学的、思想的アプローチを通して考察し、戦後日本における国家と個人の位相を捉える。1990年代の「第三の開国」による“平和主義のグローバル化”、2000年代に広まった新自由主義がもたらした“日常のサバイバル=戦争化”、ウクライナ戦争後に強まりつつある“パワー・ポリティクス的な世界把握の浸透”。これらを経て平和主義がより現実主義的なものに変質していく動静を明らかにし、民主主義の行方を示す、著者の新境地。

目次 : 第1章 「戦争」と「平和」の現在地―ウクライナとイスラエルから考える(「戦争の文化」とは/ ドローン・AI・「非正規」の戦争 ほか)/ 第2章 「第三の開国」と「第二の敗戦」―一九八九年から二〇〇一年まで(ポスト冷戦期と「イデオロギーの終焉」/ グローバル化の進展 ほか)/ 第3章 再定義される「戦時下」のこころと身体―二〇〇一年から二〇一一年まで(「対テロ戦争」からイラク戦争の時代/ 「小泉劇場」の文法 ほか)/ 第4章 震災後社会を「どう生きるか」―二〇一一年から現在まで(脱原発と社会運動/ 「感謝」するニッポン ほか)/ 終章 来るべき平和主義へ(鶴見俊輔とアレクシエーヴィチ/ 「民主主義」とは何か/ 民主主義による「戦争と平和」/ 来るべき平和主義へ)

【著者紹介】
山本昭宏 : 1984年奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科現代文化学専攻二十世紀学専修博士後期課程修了。博士(文学)。神戸市外国語大学外国語学部准教授。日本学術振興会特別研究員などを経て現職。専門は日本近現代史、メディア文化史、歴史社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ホシ

    1989年から現在まで3期に分けて日本人の「戦争と平和」観を論じます。1期はグローバル化に対する文化的反発から国民主体の内に閉じた平和主義。2期は戦争と平和の峻別が曖昧になる中で現実的・打算的・功利的な平和主義。3期はこれまでの生活保守主義的な考え方がより現実的な重要性を増し、政策の理由付けが後回しされる平和主義と私なりにまとめました。著者は日本の民主主義が戦争を選択する可能性があるとします。”自衛”のための戦争は既にコンプラがあるので「これは自衛だよ」と言い張って開戦。こんな世が来るのでしょうか?

  • ののまる

    ええっと、つまり…

  • Oki

    自他の情況認識の変化に伴い、平和主義が変化していくのはしごく当然の事ではあると思う。 確かに戦前の日本は今のロシア・中国のようなところが少なからずあり,「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意する。」はそれなりの妥当性があった。

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