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ISBN 10 : 4525212012
Content Description
"「便秘」がにわかに注目を集めている.慢性的な便秘は長期生存率を低下させ,冠動脈疾患やパーキンソン病との関連も示唆されている.2023年には日本消化管学会編集『便通異常症診療ガイドライン』も発刊された.すでに便秘薬の処方も変わりつつある.
しかし,ガイドラインは難解との声も多い.主な読者として消化器内科専門医が想定されているためであろう.一方,便秘はありふれた病態で,医療従事者であれば誰もが身近に感じていたものだ.それゆえにこれまで漫然と行ってきた対応と,ガイドラインの記載との乖離に戸惑うのかもしれない.
本書では,「プライマリ・ケアの現場」で使えることを意識し,慢性便秘症の基礎知識をわかりやすく整理,解説した.
目次
第1部 基礎編:プライマリ・ケア医が知っておくべき慢性便秘症診療の全体像
第1章 便秘は怖い! 身近な便秘が生活や長期的な予後に及ぼす影響とは
第2章 本当に便秘なのか? 定義を押さえ,丁寧な問診から始めよう
第3章 「便秘ですね」で思考停止しない.便秘のメカニズムを考えよう
第4章 曖昧なままにしていませんか? 便秘患者で押さえるべきフィジカルとは
第5章 要らないような,要るような‥‥便秘に必要な診断検査は?
第6章 具体的指導で説得力アップ! すぐに役立つ便秘の生活指導
1)食事
2)運動
3)排便指導(排便を招く習慣など)
第7章 根拠をもって使い分ける! シン便秘薬の使い方
第8章 メンテナンスが大事! プライマリ・ケアの定期外来で確認すべきこと
第9章 うまく治療が進まない‥‥知っておくと役立つ便秘治療への心理的アプローチ
第10章 自分の手には負えないかも‥‥専門医への紹介のタイミング:排出困難型便秘の存在
第11章 First, Do No Harm! 安全な便秘診療を心がけよう
第12章 合わせて知っておきたい 慢性下痢症の最新動向
第2部 応用編:プライマリ・ケアでの便秘診療をさらに深めるために知っておきたい“慢性便秘×〇〇”
第1章 慢性便秘に潜む疾患を押さえよう
1)過敏性腸症候群
2)悪性腫瘍
第2章 便秘がエコーでわかる? ベッドサイドでできる新しい画像検査
第3章 投薬から始まる負の連鎖 慢性便秘とポリファーマシー
第4章 忙しい現場でも注意しておきたい 救急外来での便秘の対応
第5章 プライマリ・ケアで実践する便秘患者に対する心理療法
第6章 便秘患者の行動変容を促すコツ
第7章 便秘から紐解くSocial Determinants of Health
第8章 チームで関われば可能性が広がる! 多職種で連携する排泄ケア
第9章 患者さんごとの特徴を押さえる! ライフステージを意識した便秘診療
1)小児
2)思春期
3)妊婦・授乳婦
4)高齢者
5) 緩和ケア"
【著者紹介】
山本さゆり : 愛知医科大学 総合診療医学講座・内科学講座 消化管内科 准教授。1989年愛知医科大学卒業。名古屋医療センター、愛知医科大学第4内科(消化器内科・心療内科)にて学位を取得、研究職の楽しさに目覚める。トヨタ記念病院消化器科、長寿医療研究センター消化器科、ゆりクリニックを経て2人の男の子を育てる。次男の中学入学を機に非常勤で愛知医科大学に勤務、2017年9月愛知医科大学卒後臨床研修センター 副センター長として医学教育・卒前卒後教育の傍ら、総合診療、過敏性腸症候群や便秘診療の臨床・研究に携わる。2019年9月より現職。日本消化器病学会、日本消化管学会、日本神経消化器病学会、日本心身医学会、日本医学教育学会の代議員
上松東宏 : 愛知医科大学 地域総合診療医学寄附講座・総合診療医学講座 特任准教授。2006年愛知医科大学卒業。聖隷三方原病院、東京都立多摩総合医療センター放射線科を経て、2011年よりSouthern Illinois University Family and Community Medicine Residencyにて研修。帰国後、鉄蕉会亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科、豊田地域医療センター 総合診療科で勤務。2025年3月、名古屋大学大学院医学系研究科(医療の質・患者安全学講座)にて医学博士を取得後、同年4月より現職。家庭医として診療所や市中病院で臨床および教育に携わり、現在は大学に活動の場を移し、卒前・卒後教育を通して社会に貢献できる道を模索している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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