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ISBN 10 : 4305710595
Content Description
2024年、文芸社詩歌句大賞短歌部門優秀賞を受賞した著者による、生まれ育った新宿の「今」を詠った第一歌集。
カオスの街「歌舞伎町」を詠い続けている歌人がいる。
その名は、山本おりづる。
彼女は、新宿の慈母観音である。
笹 公人
彼女は、その静かで穏やかな佇まいからは想像もつかない、地獄の業火を思わせるような短歌を毎回提出するので、私はてっきり、歌舞伎町の片隅で繰り広げられるハードボイルドな物語を紡いだフィクション短歌だと思い込んでいたのである。
しかし、それが彼女の身に実際に起こった出来事だと知った時、私は衝撃を受けた。(中略)
この歌集『新宿レクイエム』は、山本さんが、その慈悲深い眼差しで捉えた歌舞伎町のリアルを鮮烈に描き出した魂のドキュメントでもある。そこには、光と影が交錯する新宿での人間模様が生々しく息づいている。
笹 公人 解説より
<収録歌より>
紫陽花は一雨ごとに濃くなって身の上ばなしを塗りかえるマリー
電柱に握手求めるケン坊のポケットにある白い粉末
ダダダダダ ダダダダダダダ ダダダダダ 工事現場に俳句のリズム
オンドレとテメエの睨み合いの中ナニサマが来て仲裁をする
西口に東南口に東口‥‥新宿駅はヤマタノオロチ
【著者紹介】
山本おりづる : 新宿歌舞伎町の、今はなき名物店「おかめ食堂」に生誕。浦和明の星女子高校卒。「未来短歌会」会員。27才で新宿の人々の魂の叫びを俳句に描きはじめる。新宿路上詩人として俳句ストリートパフォーマンスも行う。2006年に歌会へ参加したことがきっかけで短歌をはじめ、笹公人に師事する。2011年に昭和平成の新宿を書き切った感により作歌を中断するも、2023年に作歌活動を再開、新たに令和の新宿を書く。2024年、文芸社詩歌句大賞短歌部門優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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