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新教養主義宣言

山形浩生

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309408446
ISBN 10 : 4309408443
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2007
Japan

Content Description

「日本的四畳半ウサギ小屋的せまさ」に行き詰まっている現実も、ちょっと物の見方を変えれば可能性に満ちている。文化、経済、情報、社会、あらゆる分野をまたにかけて、でかい態度にリリシズムをひそませた明晰な日本語で、いま必要な新たなる“教養”を読者の脳裏にたたき込む。二十一世紀の日本人必読の書。

目次 : 1 人間・情報・メディアを考える(情報処理で世界は変わるか?―二十一世紀の生産性向上にむけて/ 生物としての限界を超えた自由を夢見て―スタニスワフ・レム『虚数』序にかえて ほか)/ 2 ネットワークと経済を考える(消費税を七%に上げよう!―スーパー・アクロバチック不景気脱出策/ メディアと怪談とインターネット ほか)/ 3 ぼくたちの文化のあり方を考える(フリー翻訳マニフェスト―プロジェクト杉田玄白について/ 日本文化のローカル性を超えるために―青空文庫から読みとれるもの ほか)/ 4 平和・人権・民主主義―社会システムを考える(平和の危険性と戦争の効用/ 権利はただのお約束にすぎない ほか)/ 5 「おもしろさ」の秘密について考える(セックスは消滅するか?/ おもしろさを伝えることのむずかしさについて ほか)

【著者紹介】
山形浩生 : 1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。大手シンクタンクに開発コンサルタントとして勤務の一方、経済、文化、コンピュータなど幅広い分野で執筆、翻訳を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • えちぜんや よーた

    「人間には教養が必要」。一般的になんとなく通用しそうな表現です。それでは、その表現に「何のために必要か?」という問いかけを行った上、著者の山形浩生さんの前で、その理由について、「日本の固有の文化を守るためぇぇぇ、★○▼□※♪!〜」とか「真理の追求のためにぃぃぃ、うんぬんかんぬん〜」などと、分かったような口ぶりで理由を、管理人(私)が述べたとします。多分、「そんな奴は呪われて死ねばいい」と、バッサリ斬られてしまうでしょう(P204)。山形さんの教養に対する考え方は、とっっっても明確です。

  • 傘緑

    「…それはガマガエルをふみつぶす楽しみでもあり、人を差別して見下して踏みにじっていじめる楽しみでもあり…(自主検閲)…ふつうの人がいくら金をつまれてもやらないことをボランティアでやらせてしまうだけのおもしろさ…」なんと恐ろしいことを(゚Д゚;) これは良識に丸め込まれて「好奇心の火を絶やさない」ための仮借なき知性の在り方を表した、過激な知的煽動の本である。そこにはラファティあり、呉智英あり、カール・シュミットあり、クルーグマンの「インフレ期待」あり、キャシー・アッカーありと混沌とした現代の異端審問でもある

  • 「教養」っていうのは端的に言うと「最低限これくらいは知っとかないと恥ずかしい知識」=文化基盤みたいなもん。著者は「でも、誰がその基準を決めるの?」的な問いからは自由でそこがまた気持ち良いところでもある。「文化って面白いじゃん!みんなこっちこいよ!」的な親切心(おせっかいか?)であり、「なんで俺がてめーら馬鹿に話を合わせないといけないんだよ!」っていう罵倒でもある啓蒙。 そういう意味で、エリートは「バカ」を恐れてるところがある。自分とは異なる文化基盤を持った人たちに対する恐怖が啓蒙っていう形をとって現れる。

  • 白義

    どんなとこにもたまにいる、ムカつくけどむちゃくちゃ仕事が出来て賢い、イケてるあんちゃんが、古くさい迷信なんてポイして今後の未来に通用する新しい教養体系をざっくばらんに教えてくれる、そういう本。経済から文化に政治、科学に情報まで、今後の世界を原理的に考える知性のあり方が具体的に示されていて、しかも読みやすい。おまけに、いかにもな露悪混じりの軽口から叩かれるビジョンは、情報生命による究極の自由だの、面白い文化共有だのワクワクする要素が満載と来るから読む手が止まらない。レム論やアゾットじいさんの話は名作すぎ

  • ライクロフト

    いつの間にか(というかもう10年以上も前に)文庫本になってた。ほとんどが20年以上前の文書であるにもかかわらず、今読んでも面白い。インターネットがやっと普及し始めた当時に、現在のSNSの状況を予見していたりする。外れた予測もある。不気味なほど今の現実と重なるものもある。過去のものになってしまった記述もある。けれども、今もって楽しく読めることに変わりはないと思う。単行本から書評1件と文庫版あとがき、宮崎哲弥氏の解説が付加されていた。

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