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音楽雑誌と政治の季節 戦後日本の言論とサブカルチャーの形成過程

山崎隆広

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787235381
ISBN 10 : 4787235389
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan

Content Description

1969年に評論家・中村とうようたちが創刊した音楽批評誌「ニューミュージック・マガジン」は、「ロッキング・オン」などとともに戦後のポピュラー音楽やサブカルチャーをめぐる議論を牽引した。そのなかで〈他者〉、とりわけアメリカはどのような存在だったのか。

戦後の音楽産業、音楽雑誌や出版をめぐる事情などの基礎知識を押さえたうえで、「ニューミュージック・マガジン」の編集者を務めた北中正和へのインタビューや日本語ロック論争から、当時のポピュラー音楽と社会状況との関わりを明らかにする。加えて、吉本隆明たちが立ち上げた「試行」が日本の文化状況に与えたインパクトや、サブカルチャーへの影響などについても検証する。

1970年前後のオルタナティブなリトルマガジンで展開されたポピュラー音楽批評から、音楽が情況や運動とどう対峙したのかを描き、それをとおして戦後日本が抱える内なる他者や〈アメリカ〉の変容をあぶり出す。


[目次]

序 章 〈他者〉の到来
第1章 「音楽誌史」概観
第2章 「ニューミュージック・マガジン」の一九六九年――七〇年前後のメディア環境
第3章 雑誌メディアの〈情況〉と〈運動〉、〈他者性〉をめぐる問題――「ニューミュージック・マガジン」一九七〇―七四年
第4章 〈情況〉とサブカルチャー――雑誌「試行」をめぐる文化論的考察
第5章 雑誌と〈敗北〉――「試行」と「ニューミュージック・マガジン」、サブカルチャーのなかのアイロニー
第6章 成長と運動の時代における〈他者〉の変容――オルタナティブなメディアはなぜ一九七〇年前後に生起したか
第7章 出版研究における〈場〉の理論導入の可能性――ブルデュー『芸術の規則』を手がかりに
第8章 雑誌のなかの〈基地〉表象――一九七〇年前後のメディア情況からの考察
終 章 政治の季節と音楽雑誌
補 論 北中正和氏インタビュー:音楽と批評――戦後日本のポピュラー音楽環境と「ニューミュージック・マガジン」をめぐって

参考文献
あとがき
索引

【著者紹介】
山崎隆広 : 1969年、群馬県生まれ。群馬県立女子大学文学部教授。専攻はメディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 阿部義彦

    本書では69年に創刊された「ニューミュージックマガジン」を中心に、「ミュージックライフ」「試行」「ロッキンオン」「朝日ジャーナル」「週刊アンポ」などのサブカル雑誌界隈の動きを含めて、オルタナティブなあの時代特有の社会的情況を炙り出している。「ニューミュージックマガジン」が「ミュージックマガジン」(80年から)と名前を変えるまでのおよそ10年間に何があったか(日本語ロック論争、ベトナム戦争、etc)を紐解く。唯著者は大学教授でこれが初の単著という事もあり、イマイチこなれてなく、読むのに苦労しました。

  • しゅん

    1969年に創刊された「ニューミュージックマガジン」という同人的な音楽雑誌が、どのようにして「政治」のエッジとなったのか。吉本隆明による『試行』の影響などを調べつつ、「アメリカ」という他者がロックを通して主題化された経緯を描いていく。共産党を非難する新左翼派の『試行』が、文壇が共産党シンパ中心だったために傍流へ押し流された、という認識は今までなかった。政治的敗北の後に文化がうまれ、文商業的に成功する法則は興味深い。1980年代の糸井重里も1930年代の「文學界」も同じパターンをなぞっている。

  • hirokoshi

    「14歳から知る日本戦後政治史」で、戦後アメリカ文明から強い影響を受けてきた日本にとって60〜70年代の文化は独自のもので現在の文化の礎になっているというのを読んで気になっていたのでピッタリのテーマだった。「音楽に政治を持ち込むな」がいかに音楽という文化を知る気のない言い分だとよくわかる。「お前はただの現在に過ぎないーテレビに何が可能か」を受けての「<現在>であり即興(アドリブ)であり、そして非芸術、反権力であるということ。それはまた<日常>であり、大衆的であることをも意味するだろう」とか、

  • みんな本や雑誌が大好き!?

    ここに出てくる音楽雑誌というのは、「ニューミュージック・マガジン」です。私は読んだ記憶がありません。「積ん読」したこともないと思います。 ということで……。ざっと読んだのですが、さほどの感銘を覚えることはありませんでした(これは著者の責任ではなく、こちらの「音楽雑誌」への知識不足故のことです)。 反戦歌や歌声喫茶に見る「容共リベラル」的な音楽の歴史的変遷については、まだ面白く読むことができました。レジスタンスとしての音楽というのも世の中にはあったのでしょう。反体制ロックとか?

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