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不登校論の研究 本人・家庭原因説と専門家の社会的責任

山岸竜治

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784826506724
ISBN 10 : 4826506724
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2018
Japan

Content Description

不登校に「こうしたらなおる」論は存在するのか。研究史をたどり返し、本人・家庭原因説を超えて不登校問題の核心に迫る!

目次 : 序論/ 第1部 不登校研究前史展望(不登校は戦後の現象か/ 浮き彫りにされた不登校の子どもと関連学会の発足)/ 第2部 本人・家庭原因説の主張と放棄(学界における本人・家庭原因説の主張と放棄/ なぜ本人・家庭原因説は主張され続けたか―専門家に内面化された学校教育への親和性/ 文部省による本人・家庭原因説の主張と放棄―社会史的視点からの考察)/ 第3部 わが国の不登校研究の問題点(「父性の不在/父親像の弱体化」原因説の盲点―対照群との比較検討の不在化/ 「肥大した自己像」原因説の行方―英語圏と日本語圏で/ 1980年代の教育学による不登校理解―横湯園子の教育科学研究会賞)/ 結論

【著者紹介】
山岸竜治 : 1966年10月、千葉県四街道市生まれ。1985年3月、千葉県立佐倉高等学校卒業。大学には受からないまま、いわゆるひきこもりになってしまい、精神科外来にかかりつつ1993年度の予備校生活を経て、1994年4月、日本大学文理学部教育学科入学。初年度に休学したため1999年3月、卒業。2001年3月、日本大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了。更に、満期退学、再入学を経て、2008年3月、同後期課程修了。その後、非常勤講師、NPO非常勤職員、労働組合臨時職員、等を経て、2013年4月より日本大学生産工学部准教授。博士(教育学)。精神保健福祉士。日本教育学会、日本社会臨床学会、日本臨床心理学会、日本病院・地域精神医学会、日本児童青年精神医学会、全国養護教諭サークル競技会、等に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • katoyann

    精神医学および臨床心理学による不登校研究の妥当性を検証した博士論文を編集した本。「不登校は本人の性格や親の養育態度に問題(悪いところ)があるから起こる」という主張を不登校の「本人・家庭原因説」として、その先行研究の批判的検討を行っている。1992年に文部省が本人・家庭原因説を放棄するに至った経緯から従来の研究の問題点までを詳細に検討している。結論として、「本人・家庭原因説」は対照群との比較検証の不在や英語文献の研究不足により、その知見の恣意性が目立ち、妥当性に欠けるという見解が示されている。

  • kenitirokikuti

    図書館にて。「当事者研究」批判としてながめた▲不登校(≒登校拒否)自体は戦前からあった。しかし、昭和30年代前半までは、長期欠席の子どもたちの中に埋没しており、学校への不通が問題視されていなかった。例えば、ある漁村では魚群発見のサイレンが鳴ると、教師はチョークを置き、生徒らは漁に出たりしていた。昭和30年代半ばから学校へ行くことが強力に規範化され、児童精神医学や臨床心理学が不登校を扱い出した。クライアントが教師だったこともあり、子ども・家庭原因説が広まった。しかし、比較対象群との検討が不在で、誤りだった

  • 昌也

    再読、山岸氏は経験者であり研究者。

  • 林檎

    不登校「論」についての研究。不登校は戦前からあったこと、不登校の原因は本人・家庭にあるという言説がいかに根拠のなかったものかが資料を基に丁寧に言及されている。小泉英二も河合隼雄も小倉清も鑪幹八郎も、僕が知ってるだけでも多くの専門家がいかにいい加減なことを言ってきたかがよくわかる。そして、文科省の「不登校は誰にでも起こりうる」という見解の意味についてもよく知ることができた。一方、不登校の状態像の変遷という視点が欠けており(実際には無理な話だが)、読み方に注意を要する本でもあると思った。何より、原因論は怖い。

  • Nick Carraway

    教育学者にして、日大生産工学部准教授・山岸竜治さんが博士論文に加筆修正したもの。 不登校の原因を、本人と家庭の責任とした無責任な主張はいつ頃から現れ、いつ頃から消えていったのか。その間、多くのクライアントが傷つけられ、ずさんな心理学者や精神医学の臨床医たちの無責任で放埒な言説がまかり通ってきた。山岸さんは、その歴史を探偵さながらに丁寧に紐解き、真実を暴いていく。その文献にもとづく事例研究の手並みは、まるでミステリー小説のように刺激に満ちている。

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