Product Details
ISBN 10 : 4866161590
Content Description
支援者は、「喪失の語り」の手前にある、「あいまい」で多様な喪失のナラティヴをいかにして聴くことができるのでしょうか。そもそも、語ることさえ困難な喪失を経験した人を「支援」することは可能なのでしょうか―。そんな困難な問いを前に喪失体験を持つクライエントに向き合おうとするすべての支援者のために。本書は、「喪失と回復」の単線的な物語からこぼれ落ちる、「喪失」の多様な様相に、母子、児童、障害、生活困窮、高齢者、犯罪被害者、HIV/AIDS、ハンセン病、原爆被害、非行臨床など多様なケースを通して迫ります。偏見・差別など社会・歴史・文化的な文脈を踏まえながら、「喪失」のナラティヴについて深く、丁寧に考え抜くための一冊です。
目次 : 喪失の多様性と語り/ 第1部 ライフステージと喪失(人生早期の出会いと別れ/ 児童虐待と社会的養護/ 筋ジストロフィーという慢性難病を抱えること/ 失業と生活困難―彼は「何を失った」と語るのか/ 身体の病がもたらす中高年期の喪失体験とその支援)/ 第2部 コミュニティと喪失(犯罪被害者のこころと支援/ HIV/AIDSと未知なるものへの不安と喪失/ 尊厳をめぐる傷つきの語り―ハンセン病国賠訴訟における被害証言の聞き取り/ 原爆を「生き延びる」ということ―ロバート・リフトン『Death in Life』をめぐる抵抗についての一つの解釈)/ 第3部 喪失と心理療法(喪失と音楽―非行少年の「大切な音楽」とその語りが示すもの/ 喪失の心と心理臨床―精神分析的理解をもとに/ 喪失体験への身体的アプローチ―からだの声を聴き、こころに寄り添う)
【著者紹介】
山口智子 : 広島県尾道市生まれ。名古屋大学大学院教育学研究科発達臨床学専攻博士課程単位取得満期退学。現在、日本福祉大学教育・心理学部心理学科教授。博士(教育学)。臨床心理士・公認心理師
永田雅子 : 名古屋大学心の発達支援研究実践センター
坪井裕子 : 名古屋市立大学大学院人間文化研究科
井村修 : 奈良大学社会学部心理学科
山本智子 : 近畿大学教職教育部(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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