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総力戦体制 ちくま学芸文庫

山之内靖

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480096494
ISBN 10 : 4480096493
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦後のゆたかな社会は、「敗戦」という断絶によって突如もたらされたわけではない。現代社会の基礎は、多くが戦時の動員体制において形成されたものである。―こうした論争的な問題提起により、戦後体制の本質だけでなく、近代的な知のあり方そのものまでをも根底から問うた著者の代表的論考を、ここに精選収録する。戦時動員を通じた国民統合と社会の合理化は、いかにして実現されたのか。総力戦体制のもとで完成されたシステム社会は、どこへ向かうのか。近代から現代への変容を世界的な規模でとらえる枠組みを提示した本書は、新たな批判的社会理論を構想するために不可欠な礎である。

目次 : 1(総力戦の時代)/ 2(戦時動員体制の比較史的考察―今日の日本を理解するために/ 方法的序論―総力戦とシステム統合)/ 3(戦時期の社会政策論/ 戦時期の遺産とその両義性/ 日本の社会科学とヴェーバー体験―総力戦の記憶を中心に/ 一九三〇年代と社会哲学の危機)/ 4(総力戦体制からグローバリゼーションへ)/ 補論 特別インタヴュー 総力戦・国民国家・システム社会

【著者紹介】
山之内靖 : 1933‐2014年。東京大学経済学部卒業後、東京大学大学院社会科学研究科博士課程修了。東京外国語大学名誉教授、フェリス女学院大学名誉教授。経済学博士。専門は、現代社会理論、歴史社会学

伊豫谷登士翁 : 一橋大学名誉教授

成田龍一 : 日本女子大学教授

岩崎稔 : 東京外国語大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ステビア

    総力戦体制とは、国家・市場・市民社会が単一のシステムの中に組み込まれたもの(パーソンズ)。ヴェーバーのいう鉄の檻。日本の市民社会派たちも一度はここに加担したのだが(転向)、戦後はそれをなかば意図的に忘れ去り、市民革命的理念の称揚に後退してしまったのだった。

  • きいち

    大変だけど刺激的。没後論文集で同じ議論が繰り返し出てくるので理解をすすめやすい。◇1945年に断絶をみる常識的な歴史観に対し、野口悠紀雄『1940年体制』同様、山之内は連続を見る。日中戦争完遂のために仕上げられた国民統合と格差是正、それが今に至る戦後体制だ、と。瞠目すべきは、それを日本特殊とせず、ドイツはもちろんアメリカのニューディールとも同根の世界普遍のものとすること。そして、ヴェーバー、ギデンズ、ベック…と知の枠組み論への踏込みの鋭さ。◇規制緩和で解除はできない、グローバリズムとて同じことなのだから。

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    ヘーゲルを超えるのはパーソンズでも大河内一男でもマルクスでもなくフォイエルバッハなんだ!ウオオで、それはいいのだが、にしてもつまらなすぎる。学者ってクソ面白い題材からクソつまらない結論を導き出す職業だったことを思い出す。そしてつくづく、加藤典洋の言っていたことは大間違いであったことがわかる。その大間違いの刹那的な人情味に私がどれほど魅了され、また救われたことか。

  • Mealla0v0

    総力戦体制の構築に伴う合理化を「現代化」の契機と捉え、階級社会からシステム社会へという変化を促した出来事と見做している。階級社会では労使対立が起こるが、総力戦体制はそうした差異を「強制的に均質化する」機能を有している。その結果、システム社会へと変化するが、そこでは社会的利害は調整されるだけのものとなる。それは国民国家の完成に決定的な出来事だったということだ。こうして今や行使区の区別は消失する。家族の消費生活は国民経済と連関する。消費の重要性を論じた大河内一男の理論が検討されているのも、そうした理由による。

  • hurosinki

    山之内氏の総力戦に関する論考を収録した著作。総力戦という一面非合理な事態は、社会全体を戦争遂行機能の点から合理的に再編し、戦後の繁栄に繋がったという逆説を提示する。なおあくまで仮説であり実証してるわけではないです。機能的に合理化された社会(システム社会、あるいは現代社会)の以前の社会(階級社会、あるいは近代社会)との相違点はA〜Cの3点にまとめられる(整理の仕方はp121に依った)

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