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人間なき復興 原発避難と国民の「不理解」をめぐって ちくま文庫

山下祐介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480434005
ISBN 10 : 4480434003
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

福島第一原発事故後、廃炉の見通しもなく国は「新しい安全神話」を振りかざし、避難者帰還政策を進めている。人を「数」に還元した復興や分かったつもりの国民の「不理解」がこの国をあらぬ方向へ導いている。被災者の凄惨な避難体験と、原発自治体の暮らしの赤裸々な告白を、社会学者が読み解き、対話を積み重ねて「人間のための復興」とは何かを問い直す。事故の本質を鋭く衝いた警世の書。

目次 : 第1章 「不理解」のなかの復興(理解の難しい問題/ 復興とは何か? ほか)/ 第2章 原発避難とは何か―被害の全貌を考える(二つの避難から帰還政策へ―事故からの2年を振り返る/ 避難の経緯とその心性―何からどう逃げてきたのか? ほか)/ 第3章 「原発国家」の虚妄性―新しい安全神話の誕生(原発立地は理解できるか?/ 「なんで原発のそばに住んでいたの?」 ほか)/ 第4章 「ふるさと」が変貌する日―リスク回避のために(「ふるさと」を失ったのではない、「ふるさと」になってしまった/ 津波被害との違い―賠償と放射線リスク ほか)

【著者紹介】
山下祐介 : 1969年生まれ。首都大学東京准教授。都市社会学・地域社会学

市村高志 : 1970年生まれ。福島県双葉郡富岡町住民。NPO法人とみおか子ども未来ネットワーク理事長

佐藤彰彦 : 1964年生まれ。高崎経済大学准教授。地域社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • おさむ

    東日本大震災から6年を迎えるのにあわせて読了。津波災害と原発事故が重なった複合災害が日本にもたらしたものは?国や東電に対する絶望的な迄の信頼の失墜、被災者とその他という国民の分断、いつ終わるのかも分からぬ避難生活。皆がわかったようでいてわからないこの問題に関し当事者を含む3人が意見をぶつけ合い、悩み、考えた結果がこの本。私たちが肝に銘じなくてはいけないのは、原発は地域社会や自治体ではなく、国家による賭けだった。負けたところから、いかに勝ち、いやイーブンに持っていくか。それが復興のありようなのだという事。

  • 山口透析鉄

    福島第一の原子力災害により避難を余儀なくされた当事者(市村高志氏)が社会学者との対話などから生まれた本です。 帰りたいが帰れないという当事者に対する専門家の帰れない、という不理解が立ちはだかりますが、そもそも除染の欺瞞性を考えると帰還できるとするのに無理があります。 つまるところ、社会の仕組みや科学技術も西洋の借り物でしかなく、日本はそれを独自に使いこなしきれていないのでは?といった根源的な問いかけも当たっているでしょう。 自主避難者の記事は東京新聞でも読んでいましたが、被害は生涯残る、被災は賠償できる↓

  • えむ

    原発事故に伴う避難における様々な「不理解」を社会学者と当事者の対話を通じて明らかにしている。対話が行われてから時間が経過しており、本文中の主張も賛否両論あると思われるが、この問題について考える際には一読する価値があると思う。

  • かわくん

    原発事故の避難について、避難者と社会学者が考えを述べ合った。その中から見えるのは、原発政策の矛盾と避難区域解除が避難者の将来への選択を狭めていく過程だ。この本が世に出てからすでに2年。原発政策は再稼働への道を走りはじめている。避難者を巡る状況はさらに厳しさを増している。この問題をどう解決していくのか、このままでいいのか、為政者に問いたい。

  • yokkoishotaro

    震災後10年がたって、大量死の事実や受け止め方、10年間の思いがあると思うが、政策の振り返りも重要である。廃炉、避難生活の長期化、トリチウムの問題、風評と多くの課題が山積している。先の5年10年考えるために、必要な情報が多く取り上げられていた。

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