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社会保障のどこが問題か 「勤労の義務」という呪縛 ちくま新書

山下慎一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480076496
ISBN 10 : 4480076492
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

日本の社会保障はなぜこんなに使いにくいのか。複雑に分立した制度の歴史を辿り、日本社会の根底に渦巻く「働かざる者食うべからず」という倫理観を問いなおす。

【著者紹介】
山下慎一 : 1984年長崎県西彼杵郡(現・諌早市)多良見町生まれ。福岡大学法学部教授。一般社団法人FUスポーツコミュニティ理事。九州大学大学院法学府公法・社会法学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アキ

    1950年代に社会保障が出来て70年以上経過し、働き方も変化しつつある現代において、自営業者と労働者の間で制度が異なることへの考察と提言を著した新書。自営業者には失業保険もないし、傷病手当金もない。年金も国民保険のみのため、平均月額は5.5万円程度である。憲法25条生存権で健康で文化的に生きていくための生活保障が謳われているが、「働き方」で社会保障が異なるのは是正すべきである。新しい社会保障のために、現行制度をベースとしマイナンバーの活用で自動的に給付するか、まったく新しいものに変える案を提唱している。

  • よっち

    いざという時の生活を保障する社会保険と働けなくなった時や老後の生活を支える年金制度。複雑な制度の歴史から誰もが等しく保障される社会のしくみを考える1冊。なぜ働き方で社会保障が違うのか。労働者と自営業者で違う公的年金、医療、失業時・雇用継続対策、労働災害の仕組み。一方で制度が作られた時代背景、国民年金と厚生年金、国民健康保険と健康保険が分かれた事情、雇用保険や労災保険が自営業者に適用されない状況、勤労を前提とした生活保護の後ろめたさを解説していて、使いにくさと新しい社会保障を考えるいいきっかけになりました。

  • Francis

    橋本陽子「労働法はフリーランスを守れるか」に続けて読んだ。日本の社会保障はどうして使いにくいのか著者の経験を踏まえて考察する。社会保障の基本である年金、健康保険、雇用保険などが労働者向けの制度として構築された事、そして日本国憲法に定められた「勤労の義務」が制定当初の意図を越えて世間では「働かざるもの食うべからず」と言う強い規範意識として根付いてしまった事をその理由として挙げる。著者は社会保険の枠外と考えられていた自営業者も労働者に近くなっていることを踏まえ、働くことと社会保障を切り離す必要性を説く。

  • すのさん

    保障を受けるのに労働者性が求められる現行制度への疑問、勤労と保障が結びついた過程が解説される。社会保障は勤労(労働)と結びついて構築されている。社会保障制度が誕生するにおいて、被保険者として想定されたのは労働者であった。当時の多数を占めた自営業者は@定年がない、A家族での運営と支え合いが可能であることから、当初は保障の対象になく、後追いで制度に含まれている。しかし、給付対象となる制度は働き方によって異なり、筆者は社会保障の形成過程における憲法上の勤労の義務義務規定の影響を指摘する。

  • Bevel

    社会保障がいわゆる「アクティベーション」化するのは、90年代くらいみたいなイメージがあって、日本の場合はそもそものところからそうなのかと思って手にとった。人手が足りなかっただろう戦後の「働かざる者食うべからず」の雰囲気は想像できるけど、それがずっと変わってないのかと。現実的な最小限の変更で社会保障を柔軟に組み替える場合、自営業者の実態を把握することの難しさを解決するのは重要な気がして「現在の情報技術を駆使し、工夫をすれば乗り越えることはできそうである」ってもう少し突っ込んでくれてもよいのではと思った。

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