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ひみつの王国 評伝 石井桃子 新潮文庫

尾崎真理子

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101210568
ISBN 10 : 410121056X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2018
Japan

Content Description

ノンちゃん雲に乗る、クマのプーさん、ピーター・ラビットなど作家・翻訳者・編集者として幾多の名作を世に送り出し、溢れる才能のすべてを「子ども時代の幸福」に捧げた101年の生涯。200時間に及ぶインタビューや書簡、綿密な取材をもとに、戦前戦中の活動や私生活にも迫る。子どもの本で人々を勇気づけ、児童文学の星座で強い光をはなつ石井桃子の稀有な人生を描いた、初の本格評伝。

目次 : 第1章 浦和の小宇宙(一九〇七〜一九二六年)/ 第2章 文藝春秋社と『幻の朱い実』(一九二七〜一九三六年)/ 第3章 プーの降りてきた日(一九三三〜一九四〇年)/ 第4章 戦争から生まれた『ノンちゃん』(一九四〇〜一九四五年)/ 第5章 子どもの本の開拓者へ(一九四五〜一九五四年)/ 第6章 家庭文庫とひみつの書斎(一九五五〜一九七五年)/ 第7章 晩年のスタイル(一九七九〜二〇〇八年)

【著者紹介】
尾崎真理子 : 1959(昭和34)年宮崎生れ。青山学院大学文学部卒業後、読売新聞社に入社。’92(平成4)年から文化部記者として文芸を担当する。東京本社文化部長を経て編集委員。2015(平成27)年『ひみつの王国 評伝 石井桃子』で芸術選奨文部科学大臣賞、新田次郎文学賞、同作品を含む執筆活動により’16年度日本記者クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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かなり面白い。最大の要因は、石井桃子とい...

投稿日:2018/12/19 (水)

かなり面白い。最大の要因は、石井桃子という存在。著者は晩年の石井に、200時間以上もインタビューをし、さらにきめ細かい調査を行っている。そのため、時代時代における石井の姿はくっきりとしている。 石井桃子は、ジャンルはともかく「執筆」を自身の仕事の中心と意識していたようだ。しかし、本書全体を通して印象に残るのは、作家・翻訳家であること以上に、優れた組織者としての姿だ。「子ども時代の幸福」に大きな意味を感じ、同調者を募り、その思いを広げようとした点である。いくつもの勉強会・読書会、子ども図書館の活動、ノンちゃん牧場、編集者としての仕事にもそれが伺える。 創作や翻訳は、はっきりとした形をとって残る。しかし、それ以外のことは、目に触れることも少なく、忘れられていく確率も高い。それだけに、石井桃子の知られざる一面を示した本書は、重要だと言えよう。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 佐島楓

    文庫版にて再読。文学及び児童文学史、子ども図書館史として重要な作品。

  • TATA

    戦前、戦後を通じて、日本の児童文学の礎を築くために生涯を捧げた石井桃子さんの伝記。菊池寛や井伏鱒二と交わり、「くまのプーさん」の翻訳に携わる。作中を通じて語られるのは石井さんの文学への熱い想い。良質な児童文学を日本の子供達に届けるためにできることは全て取り組む、そんな姿を見ていて思うことはただただかっこいいなと。読んで良かった一冊でした。

  • はるき

    物語への愛情に満ちた、石井桃子さんの人生。鋭い観察眼と温かな眼差し。二つが過不足なく混ざり合い、素晴らしい物語を生み出す原動力になる。情報量の多さに戦きますが、夢中になれます。

  • Bridge

    子どもの本の世界で誰にもなじみ深い名前、石井桃子。彼女の成した仕事の数々を知ることのできる貴重な本。石井桃子さんは戦前から編集者として活躍していた。岩波よりも先に『たのしい川邊』を出版していた事実もこの評伝で初めて知った。仕事だけでなく、プライベートな部分にもかなり踏み込んで書いてある。石井桃子の101年の人生をともに歩くような力作。

  • もくたつ(目標達成)

    児童文学にひっそりと名を残した石井桃子の伝記である。誰もが知るという程著名ではないものの、戦後の子供達の人格形成に大きな影響を与えた児童文学書を編集した人物である。英語を嗜み、英文学の翻訳にも秀でていた。美人ではないのに、話していると不思議と美しく見えてくるという周囲の人の評が印象に残った。

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