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尾崎放哉全句集 ちくま文庫

尾崎放哉

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480424181
ISBN 10 : 4480424180
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2008
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「咳をしても一人」などの句で知られる自由律の俳人・尾崎放哉。前途を嘱望されたエリート社員だったが、家族も仕事も捨て、流浪の果て、孤独と貧窮のうちに小豆島で病死。その破滅型の境涯は、同時代の俳人・種田山頭火と並び、いまなお人々に感銘を与えつづける。本書は、遁世以後の境地を詠んだ絶唱を中心に全句稿を網羅するとともに、小品・日記・書簡を精選収録する。遁世漂泊の俳人の全容を伝える決定版全句集。

目次 : 俳句(遁世以後(大正一三年〜大正一五年)/ 俗世の時代/ 句稿(大正一四年〜大正一五年)/ 俗世の時代・拾遺)/ 小品・随筆・書簡(夜汽車/ 入庵雑記/ 大正十三年八月二十二日 住田蓮車あて書簡/ 大正十三年十二月十五日 佐藤呉天子あて書簡 ほか)

【著者紹介】
尾崎放哉 : 1885‐1926。現在の鳥取市に生まれる。本名・秀雄。東京帝国大学法学部卒業後、東洋生命保険株式会社に入社。旧制中学時代から句作を始め、一高俳句会に参加、萩原井泉水の「層雲」に寄稿するなど、自由律の俳人として句作を続けた。流浪遁世ののち小豆島南郷庵にて41歳で病死

村上護 : 1941年愛媛県大洲市生まれ。愛媛大学卒業。作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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尾崎放哉の句が時代別に1冊に納められてい...

投稿日:2021/06/13 (日)

尾崎放哉の句が時代別に1冊に納められているのは素晴らしい。しかし、初めて尾崎放哉に接する人はある程度句の数が絞られ、足跡が分かるものから入ると良いと思われる。

海尾水 さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • さゆ

    自由律俳句というのは、575ではないため敬遠していたが、通して読むと印象が180度変わった。全集のうえ時系列で些細なことまで句にされているため、放哉の眼になった一体感とその見てきた世界を感じられる。また、コピーライトとして読むと俳句の情感のある短文としてかなり味があるとも思えた。洗練された作品が後世に残るのは当然として「マッチの棒で耳かいて暮れてる」「病人の蜜柑をみんなたべてしまった」みたいな作品が残るのは有名な作品以上に凄いことなのでは‥!

  • まふ

    種田山頭火と並び自由律俳句の「巨人」と称される尾崎放哉のほぼ全句集。東京帝国大学出身の超エリートであった彼が東洋生命保険(現朝日生命)のエリートサラリーマンの道を挫折し、俳句の道に進んだのは本人の言によればいわゆる職場での「エリートイジメ」に遭遇したからとのこと。いわゆる「落ちこぼれ」として第二の人生を歩むが、一高の先輩である自由律の荻原井泉水に師事して、似たような境遇の種田山頭火とともに当時隆盛を誇った「自由律俳句」界で独自の世界を作り上げた。⇒

  • らぱん

    再読。読友さんに誘われて年の瀬に尾崎放哉を味わう。年末などとこれと言って変わるわけでもなしと嘯いてはいるものの、周りの騒がしさや忙しなさに追い立てられ、落ち着かない気分でいたのを鎮めて貰った。 俳句は詩歌の形式として相当短いと思うが、放哉の自由律句はさらに短いものがある。削ぎ落された少ない言葉の宇宙の広さは心地が良い。空は広く自分は小さい。それを有難く感じ、また孤独を愉しむことの出来る心を想う。精神活動を飄々と可笑しみのある表現で詠む。 今日の気分はこの句が良い。「うそをついたやうな昼の月がある」

  • りりす

    なんとも言えない気持ちになる。寂しいような、でも可笑しいような。面白いつぶやきみたい。「一瞬を切り取っている」感じが強くて、一句一句を読むとき、写真を見せられているよう。「ふところの焼芋のあたたかさである」「冬川にごみを流してもどる」「こんな大きな石塔の下で死んゐる」「花がいろいろ咲いてみな売られる」。「る」で終わるものが好きなことが多い。……何が死んでたんだ…。

  • みねたか@

    漂泊の果てに小豆島の庵寺で没した俳人。自由律俳句。不案内な私が知っているのは「咳をしてもひとり」のみ。同様に孤独なたたずまいが印象的なもの「高浪打ちかえす砂浜に一人を投げ出す」「ただ風ばかり吹く日の雑念」「こんな大きな石塔の下で死んでいる」「海がまつ青な昼の床屋に入る」。「わかれを云いて幌をろす白いゆびさき」の艶やかさも心に残る。本当に味わうにはまだ力不足。再読すれば違う世界が見えるだろう。短文,手紙そして解説で見えてくる人となり。俳人が海を見ながら一人死期を待った日々に思いをはせる。

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