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ヌエのいた家

小谷野敦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784163902333
ISBN 10 : 4163902333
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2015
Japan

Content Description

父は惨めに死にゆく。息子はそれでも許そうとはしない

主人公はどこか箍がはずれた性格の元職人の父親を憎み軽蔑する。父は惨めに死にゆくのだった。その憎しみの元を回想の中に探っていくと、父の姿には愛すべきところもあった。人間の負の部分を徹底した筆致で描いて、複雑な感動を呼ぶ私小説の傑作。

【著者紹介】
小谷野敦 : 1962年、茨城県生まれ、埼玉県育ち。東京大学英文科卒。同大大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士。大阪大学言語文化部助教授、国際日本文化研究センター客員助教授などを経て、文筆業。著書に『聖母のいない国』(サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • そうたそ

    ★★★☆☆ 「ヌエ」と著者が呼ぶ父の姿が描かれる私小説。「母子寮前」とセットで読むと、世界が繋がる気がする。とにかくヌエ=父を忌み嫌う主人公であるのだが、過去を顧みれば愛すべき部分も多分に感じられた父親の姿があったように思う。傍から見ればそれほど嫌うほどの人物なのかなと思う部分もあるのだが、実際そうもいかないのが、家族という関係性なのだろう。父に対する憎しみがぶつけられているという内容の割には、作品全体の内容・世界観としてはしっとりとしていたのが印象的。最後の母親の一言が妙な読後感を残す。

  • Ayumi Katayama

    前に『母子寮前』を読んでいたので、「ヌエ」が何を意味するのかは知っていた。著者の実父である。蔑称だ。その実父という人は、癌で入院している妻に向かって「死んじまえ!」などと罵倒するような人であり、そんな実父を著者は嫌っているのを通り越して憎んでさえいるかのようであったので、そこに主眼を据えたであろう本書は図書館から借りては来たもののなかなか開くことはできず、二週間を延長しもうあと一週間しかないという頃になってようやく手に取った。が、思った程には大変ではなかった。むしろ滑稽でさえあった。

  • keiトモニ

    読み応えのある私小説でした。なるほど著者が、村上春樹に私小説を書けと提言されただけのことはあります。こりゃ鵺対猿の合戦では、きっと“火花”が散ること間違いないでしょう。で、“家ではずっと讀賣新聞だったが産経を一度経て高3時にやっと朝日新聞に変えてもらった”…それが淳やら藤井一家の人生の失敗をもたらしたんですね、ご家族状況からしてみると東大進学も考えもんってことで…。妻が出かけるのを申し訳ない気持ちで見送るが何度も出ますが、本当にそう思ってるんですかね、淳君は。彼、頭部MRIは無理か。夫源病に気を付けよう。

  • mntmt

    これは自伝なのかな。心の整理をつけるため、一気に書かれた印象を受けた。

  • まりこ

    図書館より。自分の父親にヌエとあだ名をつけ、実家→父親の住む家をヌエズハウスと呼ぶ。ヌエの事が死ぬ程嫌いな息子。弱っていくヌエの事を考え夜中にゲラゲラ笑う。冷酷だと思う人は人間というものを知らないのだと言いきる。これが実話だから困ったもんだ。でも大嫌いなヌエの表情や姿勢がソックリなんですって?おめでとう。ざまーみろ。

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