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残月記 双葉文庫

小田雅久仁

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784575528053
ISBN 10 : 4575528056
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「月昂」と呼ばれる感染症が広がり、人々を不安に陥れている近未来の日本。一党独裁政権が支配する社会で、感染者の青年・冬芽は独裁者の歪んだ願望により、命を賭した闘いを強いられる。生き延びるため、愛を教えてくれた女のため、冬芽は挑み続ける――表題作。「月」をモチーフに、著者の底知れぬ想像力と卓越した筆力が構築した、かつて見たことのない物語世界。本屋大賞ノミネート、吉川英治文学新人賞&日本SF大賞W受賞という史上初の快挙を成し遂げた真の傑作。

【著者紹介】
小田雅久仁著 : 1974年宮城県生まれ。関西大学法学部政治学科卒業。2009年『増大派に告ぐ』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。13年『本にだって雄と雌があります』で第3回Twitter文学賞国内編第1位。21年に刊行した本書『残月記』で本屋大賞ノミネート、第43回吉川英治文学新人賞と第43回日本SF大賞を史上初のW受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヒロ

    最初のそして月がふりかえるから凄い展開だなと驚かされました。でもやっぱりSFってこうだよなとか思いながら、次の月景石、残月記と読んでいって、月をテーマにしたさらに驚きの話が続いたのでホントに面白かったです。特に残月記はSFにバトル、愛等、沢山の要素が合わさってかなりスケールが大きくなっていました。最後まで読んで、これこそ映画化しても絶対面白いだろうなと思いつつ、かなり満足感を得られたと思います。

  • tonpie

    三つの中長編からなる連作集。SFジャンルなのだが、人間洞察と文章が純文学的にハイレベル。「地獄への快適な舗装路」という言葉が思い浮かぶ。見たくない地獄なのだが、文章が良くて、つい読み進めてしまうのだ(本来は全然違う意味)。特に最初の2篇「そして月がふりかえる」「月景石」がぶっ飛んでいる。人間への「具体的で」深い洞察がちりばめられ、文章は知的であると同時に「歌っている」。↓

  • なつくさ

    初読みの作家さん。月をモチーフにした3つの物語。『そして月がふりかえる』月の光は静かで冷たい。裏側の顔をぼくらは知らない。もう少し読みたい物語でした。『月影石』幻想的な物語でした。まるで、この世界に囚われているような気持ちになりました。『残月記』月昂症がある世界。月と共に昂り月と共に冥する。これは一人の月昂症に感染した男の物語であり、月の涯の物語である。少し冗長かなと思うところもありましたが、好きな終わり方でした。きっとそこは最期にいきつく所なのだ。そうであってほしいと思う。残月のほほえみに願いをこめて。

  • スカラベ

    月の魔力をめぐる3編の物語。「そして月がふりかえる」では、月の霊気が人を狂気へと導くというルナティックを連想した。暗くて脆い月の光。油断するとダークサイドへと引き込まれそう。結末が思わせぶりだが続きを読んでみたい。「月景石」と「残月記」では、胡蝶の夢もモチーフとなっているようだ。現実と思い込み暮らす世界が実は夢=仮想世界で、目覚めると夢の中の世界が真実なのかも。文語的で使い慣れない言葉が多いところが気になったが、3編ともダークファンタジー色があり楽しめた。夢の中で満月を見つけた時に裏返っていたら怖いかも。

  • ざるこ

    3篇。その神秘的な姿に見惚れてしまう月だけど望遠鏡で覗くと案外怖い。底しれぬ暗闇の中でギラギラ輝いてる。背筋がゾクゾクしてきちゃう。魅惑的でありながら畏怖を抱く存在。そう感じてたから、どストライクの作品だった。全体的に生々しさが漂う。月が裏返り居場所をなくす「そして月がふりかえる」不思議な石で月世界へ「月景石」ここは地球か?月か?表か?裏か?読み手の居場所さえ揺るがすよう。長編「残月記」は月の満ち欠けが体に作用する病を描く壮大な物語。少し冗長にも感じたが素晴らしい世界観。一途な愛に感動させられること必至。

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