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ISBN 10 : 4814004044
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「われわれの医学」(ホー・チ・ミン)として建国の理念を体現し、息づくとされるベトナムの伝統医療。しかし、その「北ベトナム」中心のナショナリズムの物語を離れて歴史を辿ると、さまざまな権力作用、概念のもつポリティクス、実際の治療行為が結実した複雑な「伝統医学」像が顕れる。独立・分断・統一のなかで、近代国家はいかに医療の知識を制度に組み込んだのか。それは担い手たちにとって、いかなる経験だったのか。公定の「伝統医学」をめぐるダイナミズムを描く。
目次 : 序章 伝統医療はいかにして「伝統医学」となったか/ 第1章 触媒としての西洋医学―フランス植民地期/ 第2章 西医が主導する「東医」の制度化と実践―ベトナム民主共和国(北ベトナム)/ 第3章 「東医」「西医」の競合と混交―ベトナム共和国(南ベトナム)/ 第4章 再編制される「伝統医学」―南北統一以後/ 第5章 「伝統医学」教育と医師養成―理論化の困難と創造される実践/ 終章 「伝統医学」の制度化―伸縮する境界による囲い込み
【著者紹介】
小田なら : 東京外国語大学世界言語社会教育センター講師。同志社大学文学部文化学科文化史学専攻卒業、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程研究指導認定退学。博士(地域研究)。同研究科および千葉大学グローバル関係融合研究センター特任研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)を経て2021年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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