Books

あなたの名

小池水音

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103550426
ISBN 10 : 4103550422
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan

Content Description

死を前にした母と、念願の出産を控えた娘。実母が去り、父が去り、長年、この継母をただ一人の母として生きてきた娘は、その姿をこの世にとどめようと、母の《記録》をAIの専門業者に依頼する。問われるまま、幼かった娘との歳月を言葉にしていった母は、やがて心の奥底に沈めていた記憶にたどりつく―。ままならない記憶。思い出すことの痛み。継母と娘のさいごの時間を描く各紙文芸時評絶賛の話題作。第38回三島由紀夫賞候補作。

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • tenori

    著者初読。見送る側が見送られる側に立つことを意識し始めたときの静謐ながらも濃密な時間。余命を告知され、義娘の希望でAIによる人生の再現という記録技術を受け入れた母親。血のつながりのない義娘との人生を振り返る過程で、蓋を閉じていたはずの感情と欲求の記憶がよみがえる。母親が義娘の裏側に見ていたものに互いが気づくとき、その交点で生まれる思いとは。感情のないAIが残す物理的な記録と、曖昧で複雑な人間としての精神的な記憶。その対比の描きかたに気持ちが揺さぶられる。

  • 練りようかん

    既読の『息』は身体性の高い描写に引き込まれたのだが、表題作は余命僅かな高齢女性が語り手で身体の動きも日々の記憶力も衰えをみせる描写に、逆のパターンがきた!と気持ちが盛り上がった。美しい景色を思い出す場面は瞼を閉じようもんなのに開くとあり、何かあるぞと意識が集中。娘が提案する「記録」によって50年間潜んでいたものがあらわになる展開で、林の景色と美しい景色の重ね方が上手かった。ここでは未来のための記録だけれど、記録は過去、記憶は未来に向かうものだと感じたのが面白い。ラストが三島賞候補の理由かな。他作も読む。

  • 信兵衛

    小篇の「二度目の海」も含め、本作は<記録>と<記憶>を描いたストーリー。 そしてそこに、名前はどれだけの想い、重みを持っているのか。 改めて問われることによって、そこに清新な印象と、深い切なさを感じます。お薦め。

  • 麦茶

    心の内を黙っていることにも意味がある、と思いました。

  • はね

    図書館の新刊コーナーで、このような好みの本に出会うことがある。作者さんは若いのに登場人物に老人多し。溌剌とはいえない体の動き、思考の巡りを良く書きましたね

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items