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クマが樹に登ると フィールドの生物学

小池伸介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784486019930
ISBN 10 : 4486019938
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

目次 : 第1章 クマが暮らす森へ踏み込む(つき合いが始まる/ どのような動物なのか ほか)/ 第2章 クマと果実の甘い関係(種子散布研究へ/ 見えないクマを追う ほか)/ 第3章 身近な森の動物たちの果実食の実態(新たな調査地で/ いろいろ種子散布者たち ほか)/ 第4章 クマの種子散布者としての特徴は?(再び、研究の道へ/ クマにしかできない種子散布とは ほか)/ 第5章 散布された種子の運命(種子散布の第二ステージの重要性/ 糞の分解者たち ほか)

【著者紹介】
小池伸介 : 1979年名古屋市出身。東京農工大学大学院連合農業研究科修了。博士(農学)。現在、東京農工大学大学院農学研究院講師。2006年野生生物保護学会学術賞受賞、2010年度信州フィールド科学賞受賞、平成24年日本森林学会奨励賞受賞、2013年日本哺乳類学会奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • tom

    東海大学出版会のこのシリーズは、いずれも面白い。あまりに面白いから、図書館から借り出して、全巻読破を決意。この本は、クマの生態調査の記録。目的は、クマの行う植物の種子の運搬の実態調査。クマが果実、木の実を食う。ウロウロ歩いて排泄する。糞を虫が食う。さらに運搬する。芽が出てくるという連鎖。どんな虫が食うのか、どのように運ぶのかなどなど、地道なフィールドワークの面白さ。ひたすらの根気の生活だけど、すごいなあとしみじみ思う。それから、クマの糞は、基本的に無臭。サクランボの季節には、ホンワカと桜の匂いとのこと。

  • Bon Voyage

    自分が山に入り調査を始めたのは大学一年のとき。そういった意味では著者よりもフィールドワークを始めるのも、クマに接するのも早かった。...今はあんまり山にはいけていないが。 かつての調査ではほとんど漠然とした、ほとんど無知な状態で山に入っていたのだと思う。 著者の研究はおもしろく、何より根気がすごい。そういった視点が早くからあれば、もっと視野を広く持って研究ができたのかも。 生態学に興味が持てる非常に良い一冊。 大型鳥獣、特にクマを研究する人はぜひ一度。

  • しまたろう

    気鋭のクマ研究者による研究紹介。クマの研究と言いつつ、筆者はげっ歯類から糞虫から植物まで様々な生物にフォーカスしており、培った知見の豊かさに感銘を受けた。この知見はクマによる種子散布というテーマを追求する中で体系化されたものである。ここまで体系が育つには相当の情熱が必要だろう。クマと鼠と糞虫とタネの複雑な関係は非常に興味深い。刺激になった。

  • T.Y.

    糞分析によるツキノワグマの食性調査の中で気付く、クマの種子散布者としての可能性。クマはどんな果実を食べているか、食べてから排泄するまでにどれくらいの時間がかかり、どれくらい移動できるのか。さらに、糞の中の種が発芽するためには分散して地面に埋められる必要がある。そこで分かってくる糞虫の役割。糞虫はファーブルの『昆虫記』以来好きな生き物だったので、こんな働きもあるとは興味深かった。森の生態系を考える上でも良い研究ではないかと。

  • Tsukasa Fukunaga

    「フィールドの生物学」シリーズ三冊目。糞分析を繰り返す事で、クマの種子散布者の可能性を探る研究のお話。種子や昆虫、樹木の同定、えんえん糞を回収する作業を始め、非常なハードワークに裏打ちされた研究で、読み応えがある。この研究で明らかにされた果実-クマ-糞虫における生物間相互作用を考えると、更に無数の要素が加わって成立する生態系は、ちょっと途方もないなと思いますね・・。バッタ博士でもそうだったが、"publish or perish"をどれだけ意識できるかが、成功につながるのかなと思う。

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