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「井上ひさし」を読む 人生を肯定するまなざし 集英社新書

小森陽一 (国文学)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087211146
ISBN 10 : 4087211142
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦後日本社会の抱えてきた問題、実に大きい問題が、たとえば天皇の戦争責任が問いかけられている――大江健三郎

東日本大震災で私たち劇作家が何より痛感したのは、井上ひさしさんの不在なんです――平田オリザ

井上ひさしが生きていたら、その目には、この日本の状況がどう映っていただろう。――没後10年。いまこそ読み直したい、井上ひさしの文学。

目 次

はじめに 小森陽一

第一章 言葉に託された歴史感覚 今村忠純 島村 輝

第二章 “夢三部作"から読みとく戦後の日本 大江健三郎

第三章 自伝的作品とその時代 辻井 喬

第四章 評伝劇の可能性 永井 愛

第五章 「日本語」で書くということ 平田オリザ

特別付録 座談会「二一世紀の多喜二さんへ」井上ひさし最後の座談会 井上ひさし ノーマ・フィールド

おわりに 成田龍一

年表:井上ひさしの足跡

【著者プロフィール】
今村忠純(いまむら ただずみ) 一九四二年北海道生まれ。大妻女子大学名誉教授。
島村輝(しまむら てる) 一九五七年東京都生まれ。国文学者。
大江健三郎(おおえ けんざぶろう) 一九三五年愛媛県生まれ。作家。
辻井喬(つじい たかし) 一九二七年東京都生まれ。本名・堤清二。作家。
永井愛(ながい あい) 劇作家・演出家。二兎社主宰。
平田オリザ(ひらた おりざ) 一九六二年東京都生まれ。劇作家・演出家。青年団主宰。
小森陽一(こもり よういち) 一九五三年東京都生まれ。日本文学者。
成田龍一(なりた りゅういち) 一九五一年大阪府生まれ。歴史学者。

【著者紹介】
小森陽一 (国文学) : 1953年東京都生まれ。明治学院大学客員教授。東京大学名誉教授。専門は日本近代文学。著書多数

成田龍一 : 1951年大阪府生まれ。日本女子大学教授。専門は近現代日本史。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • けんとまん1007

    井上ひさしさんは、最も好きな作家。これまでも、たくさんの著作を読んできた。今回、改めて、その井上ひさしさんについて語られているのを興味深く読んだ。特に、大江健三郎さん、平田オリザさん。井上ひさしさんの著作というと、まずその視点の置き方が納得できるし、仕掛けや、背景にある情報量の膨大さがある。今後、こんな人が現れるのだろうかとする思う。

  • たま

    この年末に「組曲虐殺」、年始に「天保十二年のシェイクスピア」の上演を見て、(井上ひさしさんの作品は初期のユーモア小説と雑文しか知らなかったので)、骨太の世界に驚いた。60年代から2010年に亡くなるまで、多岐にわたる50年の著作の何を読めば良いのか、ブックガイドのつもりでこの本を手に取った。広汎な紹介に続き、大江健三郎、辻井喬、永井愛、平田オリザを迎えテーマを絞ったた座談があり、充実した内容である。通読した印象で作家の評伝劇に興味を持った。実際の舞台の映像が見られると良いのだが。

  • ネギっ子gen

    井上ひさし・超入門(by成田龍一&小森陽一)。井上に共鳴する人々が、生前の交流を明かしながら井上作品を熱く論じた新書。人気作家が彼岸へ退場することで、枯れ葉が枝から落ちるように、現世との縁が切れた作家の本が、街の本棚から消え去って行く。栄枯盛衰は人の世の常とは申せ、本好きにとっては、寂しさの極み。『ひょうたん島』以来のファンとして、没後10年の節目の年に、このような新書が世に出たことを寿ぎたい。副題となった<人生を肯定するまなざし>というのが、如何にもで良かった。うん、よし! ひさし作品の読み直しじゃ!⇒

  • マカロニ マカロン

    個人の感想です:B+。2010年に井上さんが亡くなって、仕事の全体像をまとめようと小森陽一さんと成田龍一さんが井上さんの作品をよく知る大江健三郎さん、永井愛さん、平田オリザさんらと座談会を行った記録。亡くなる前年10月の井上さんを交えた座談会の記録も入っている。編者の成田さんも言っている通り、「井上ひさし・超入門」的な一冊。文中でも書かれていたが、東北出身の井上さんにはあと2年生きて東日本大震災をテーマにした戯曲を書いて欲しかったと思う。『ムサシ』、『父と暮せば』、『國語元年』の舞台上演を見たい。

  • Gaudi

    啄木や賢治のことをわかりやすく伝えてくれた井上ひさし氏は、また、コメ農家を援護する論文も発表してくれました。 あれは、コメが不作でタイ米などを多く輸入した年のことでした。

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