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〈狂気〉と〈無意識〉のモダニズム 戦間期文学の一断面

小林洋介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784305706829
ISBN 10 : 4305706822
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2013
Japan

Content Description

戦間期(一八一八〜三七年ごろ)の文学にみられる“狂気”と“無意識”の表象を分析することによって、“脱近代”としてのモダニズムの様態を解き明かす。

目次 : 近・現代文学史における戦間期モダニズムの心理描写―“自然科学的心理観”と“心身”の観点から/ 第1部 “自然科学的心理観”と“心身”の文学(明治期における“自然科学的心理観”と文学/ “狂気”に関する戦間期以前の“科学”と文学/ 戦間期の“精神科学”と身体・無意識・病理)/ 第2部 戦間期モダニズム文学と“狂気”の表象(モダニティとしての“狂気”の再発見―中村古峡作品及び『変態心理』記事を中心に/ 方法としての“狂人の一人称語り”―芥川龍之介「河童」/ “人格”の異常と表現行為をめぐる物語―川端康成「或る詩風と画風」)/ 第3部 モダニティとしての“無意識”と“心身”(他者の心理を“科学”的に“探偵”すること―江戸川乱歩「D坂の殺人事件」「心理試験」/ “無意識”という機構、支配される自己―横光利一「機械」/ 「象徴」による無意識の表象―川端康成「水晶幻想」/ 時間と空間の中の“心身”―横光利一「時間」/ 物理的現象としての“心”―横光利一「雅歌」/ 脱近代・反理性としての戦間期モダニズム)

【著者紹介】
小林洋介 : 1977年、埼玉県生まれ。2008年3月、上智大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。2011年9月、博士(文学)取得(上智大学)。現在、実践女子大学、上智大学、千葉大学等非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • mstr_kk

    日本の戦間期モダニズム文学は、身体と心理とが不可分な「心身」として人間を把握し、だからこそ狂気と無意識を主題にした。そのような基本認識のもとに、横光利一や川端康成などの作品が論じられていきます。すばらしくロジックがクリアで、展開に無理がない。頭のいい書き手だなあと感嘆しました。

  • ハチアカデミー

    狂気・無意識という、精神的なものを描いた文学作品を論じた一冊であるが、むしろその土台造りとして調べたであろう、同時代の精神病関係書籍の紹介が為になる。最先端医学として、科学として精神病が紹介され、それらを素材に芥川や川端、乱歩に横光らが小説世界を作っていったという指摘は面白かった。本書におけるモダニティとは、文体や技法ではなく、そんな当時の科学的知見を利用した作品群なのであろう。また、中村古峡という人物を知れたのも有り難し。「心身」をテーマに、未知の作家・作品を掘り起こしてほしかったというのは我が儘か。

  • とっちん@封印されし右腕

    特に興味をひかれたのは横光利一の「機械」についての章。その小説という枠、その中におかれた登場人物の語りという枠。これらの相関関係を、テクストを通し明らかにしていく過程で、これまでにない新しい側面が呈されるのである。

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